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介護ロボット十勝でも 職員の負担軽減へ国が補助

人工筋肉が搭載され、軽い力で人を持ち上げることができるマッスルスーツを着て介助する職員(あんじゅ音更)

 全国で慢性的な人材不足が続く介護福祉業界で、従事者の負担軽減につながる「介護ロボット」が注目されている。国が普及のため購入補助を進めており、十勝管内でも今年中に導入する施設が増えそうだ。離職者防止に向け、業界にとって救世主となるか-。

 「リュックを背負っている感じ。最初使い方に戸惑ったが、それほど力を加えなくても持ち上げられる」。介護老人保健施設・あんじゅ音更(内海仁司施設長)のリハビリ担当の副主任の菊地一芳さん(29)は笑顔を見せる。

 菊地さんが装着したのは「腰補助用マッスルスーツ」と呼ばれる筋力補助装置。19日に介護ロボットデモンストレーションが行われ、メーカーや代理店の説明の下、職員ら約20人が“体感”。メーカーなどの説明では空気圧縮式の「人工筋肉」により、身に着けると、人の体を持ち上げる時などの腰の負担が普段の3分の1で済むという。

 あんじゅでは今年、国の補助を使い、同装置を1台導入する予定。佐藤浩志事務長は「介護業界で腰痛は職業病。特に重度介護者への対応を中心に、少しでも労働環境の向上につなげたい」と話す。

 厚生労働省は、介護従事者の負担軽減を目的に「介護ロボット等導入支援事業」(単年度)を行う。導入する施設に対し、1事業所当たりの上限は92万円。十勝管内でも帯広や音更など約20の事業所で導入が予定されている。

 支援対象はマッスルスーツのような着用補助装置や、おぶさるだけで移乗動作が可能な介助器具、タブレット端末などから居室に行かずに利用者の様子をシルエット画像で確認できる見守りセンサーなど。マッスルスーツもメーカーによって違いはあるが、1着60万円程度(メーカー希望小売価格)という。

 管内の福祉関係者からは「普及すればもっと価格が下がるはずだが、人件費だけでも大変なのに自費ではとても購入できない」「まずは人の確保が課題。そこまで手が回らない」といった声が聞かれる。
(佐藤いづみ)

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