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鳥インフル十勝も警戒 養鶏業者は感染対策強化

鳥インフルエンザ対策で、おびひろ動物園ではフラミンゴを獣舎内に移した。来場者はガラス越しで見学する

動物園、鳥類の展示制限
 全国で高病原性鳥インフルエンザの発生が相次ぎ、道内でも苫小牧市で死亡野鳥のハヤブサから同インフルエンザウイルスが検出されたのを受け、十勝では養鶏業者が感染対策をさらに強化。おびひろ動物園(柚原和敏園長)では鳥類の展示制限を始め、音更町十勝川温泉の十勝川左岸の護岸工(通称・白鳥護岸)でもハクチョウが飛来しないよう餌の販売自粛に取り組む方針など、警戒感が広がっている。

 道内では5年ぶりのウイルス確認を受け、音更町の養鶏農家は出入り口にポールを設けて部外者が入れないようにし、消石灰もまいた。「万全の対策を取った。あとは感染しないように祈るだけ」と話す。約27万羽を飼うホクリヨウ十勝農場(音更)も、鶏舎に入るまで消石灰や消毒液など何重もの防疫体制を敷く。久末洋輝農場長は「通常から大きく変えるところはないが、一つひとつを徹底し、職員が外部で野鳥や水鳥と接しないようにも求めている」という。

 おびひろ動物園では、3日の冬季開園スタートから対策を取っている。野鳥との接触を避けるため、フラミンゴやクジャク、オシドリなどは獣舎で管理。ブンチョウ類が施設内を飛び交っていた「どんぐりのいえ」は、一部の鳥をガラス越しの見学に切り替えた。職員は鳥類舎に入る場合は踏み込み槽で靴底を消毒し、細心の注意を払っている。

 同園が鳥インフル対策で特別措置を取るのは5年ぶり。11月には秋田市大森山動物園で死んだ雄のコクチョウ1羽が簡易検査で陽性反応を示し、動物園の関係者も神経をとがらせる。柚原園長は「全国のどこで鳥インフルエンザが発生してもおかしくない状況。見学には不便な場合もあるが、入園者にも理解してほしい」とする。

 十勝川温泉の白鳥護岸では例年、同温泉観光協会(林文昭会長)がハクチョウ用の餌を観光客向けに販売しているが、「今シーズンは販売をしない方向で検討している」(同協会の窪浩政事務局次長)。2011年に同護岸の閉鎖措置を取って以来の鳥インフル対策だという。

 十勝総合振興局保健環境部環境生活課の小森美奈主査は「今は野鳥から家きんへの感染防止が重要」とし、「野鳥観察時は鳥に近づき過ぎず、鳥のふんによるウイルス拡散を防止するため、水辺には入らないでほしい。死亡した野鳥を見つけた場合は連絡してほしい」と呼び掛けている。(松村智裕、安田義教)

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