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大雪、南十勝を直撃 車立ち往生、玄関ドア開かず

車が埋まるほどの雪に見舞われた広尾町内。除雪機で作業する住民(19日午前8時10分)

 18日午後からの大雪で、特に南十勝では激しい風雪で住民生活が混乱。広尾町では19日、大人の膝丈を上回る積雪がまちを覆い、各所で立ち往生する車も見られた。19日は帯広市内でも早朝から住民らが雪かきに追われたが、列車運休や学校の休校措置などが前日のうちに決まっていたこともあり、JR駅の混乱や通勤時の大渋滞などは見られなかった。

除雪追いつかず
 広尾町では19日朝、深々と積もった雪に加え、強風で雪が吹き寄せられ、家から出るのもままならない状況に。町は前日の午後6時以降、町と委託業者の除雪車合わせて27台を断続的に出動させ続けているが、除雪した箇所を風でまた雪が覆い、「やってもやっても追いつかない状態」(町建設課)という。

 広尾消防署には独居高齢者から「雪で室外の排気筒が覆われ、ストーブが動かない」「玄関のドアが開かない」といった通報が3件あった。また、各所で車が立ち往生。車での通勤を諦め、風雪で見通しが悪い中を徒歩で職場に向かう人もいた。町内の佐藤順子さん(67)宅では手押しの除雪機が雪で詰まって動かなくなり、佐藤さんは「こんな雪は数年ぶり。風で吹きだまりができて大変」とこぼした。

 JR帯広駅では19日、全列車の運休で構内は閑散とし、切符の払い戻しに訪れたキャンセル客がぽつぽつと訪れる程度。夫婦で帯広の実家に帰省していた森山陽子さん(34)=仙台市在住=は「バスの切符は取れたが、千歳空港に着いてからの時間がほとんどない。帯広でお土産を買っていかないと」と慌てた様子で話した。

 同駅の職員らは市内近郊の6つの駅の除雪と問い合わせの電話の対応に追われたが、「昨日からの張り紙やテレビなどで周知を徹底したので、大きな混乱はない」とした。

 大雪などのたび、帯広と音更を結ぶ十勝大橋などでは通勤時間などに渋滞の発生が多いが、19日朝は比較的スムーズに車が流れたよう。勤務先の市内の福祉施設に通うため、すずらん大橋を通った天野卓さん(36)=音更=は「混むと思い、通常より30分早く家を出たが、変わらない時間で到着できた」という。

 市内の中川動物病院(東4南6)では、中川光義院長がスコップを手に病院の前や駐車場の近くなどを除雪。中川院長は「雪は昨年11月よりはましだが、風の強さを感じる」と、寒そうな様子で作業を続けた。小宮銃砲火薬店(東1南8)前を除雪していたオーナーの妻の小宮洋子さん(69)は「量があるので腰が痛い」と大変そうにつぶやいた。(伊藤亮太、佐藤いづみ、大木祐介、菅生佳孝)

市道全線を除雪
 帯広市は18日午後10時半から、生活道路も含めて市道全線での除雪を開始。19日正午現在も作業が続いている。「路面状況や降雪状況をみて、19日夜以降に再び除雪が必要か判断する」(道路維持課)とし、除雪に入る場合に備え、路上駐車などをしないよう呼び掛けている。

関連写真

  • 特急全便の運休などを伝える張り出し。JR帯広駅構内は人もまばら(19日午前9時ごろ、(折原徹也撮影)

    特急全便の運休などを伝える張り出し。JR帯広駅構内は人もまばら(19日午前9時ごろ、(折原徹也撮影)

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