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「康平、一緒に成人だよ」 友の遺影手に式典出席

亡き友・寺師さんの写真と共に成人式に出席した嶋さんと栗田さん(手前左から)

 10日に開かれた「帯広市成人の集い」(会場・市民文化ホール)で、昨年11月に病気で亡くなった寺師康平さん(享年20)の友人2人が寺師さんの遺影を手に出席した。新成人の嶋信彰さん(20)=京都府在住=と栗田雄斗さん(20)=帯広市在住。「一緒に成人だよ」。式後、2人は写真の中でほほ笑む亡き友に優しいまなざしを向けた。

 3人は帯広第二中学校の出身。嶋さんは帯広緑陽高校、栗田さんは小学校もそれぞれ寺師さんと一緒だった。休みの日はスキーやスノーボードでよく遊び、高校時代も学校が近く、登校時は3人で道のりを共にするほどの仲だった。2人は寺師さんを「ムードメーカーで皆に愛される存在だった」と振り返る。

 高校卒業後は大学進学や就職などで3人とも離れてしまったが、2年前、中学時代の同級生の集まりで再会した。「(寺師さんは)大学の課題が大変だといっていたが、元気そうだった」と嶋さん。だが、生前の寺師さんを見たのはそれが最後となった。

 寺師さんの体に異変が表れたのは昨年1月。帰省中に病院で急性白血病と診断を受け、入院した。1年近くの闘病生活を送っていたが、11月7日に帰らぬ人となった。寺師さんから病気のことを知らされていなかった2人は、親友の突然の死に心を痛めた。
 嶋さんと栗田さんは成人式の前日、寺師さんの実家を訪れ、仏壇に線香を上げた。「康平と一緒に成人式に出たい」と母の朋子さん(52)から寺師さんの写真を借り、式に臨んだ。

 式後、2人は朋子さんに電話で報告した。「一緒に参加できて無事に終えました」。朋子さんは「康平も一緒に成人式に出られて喜んでいると思う。本当にありがたく、康平のことを思っていてくれたのだと感じる」と声を詰まらせた。
(高津祐也)

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