「ハイカラ横丁」で誕生日祝う 芽室の“人気者”会社員村上さん
【芽室】屋台にちょうちん、露店に並ぶ骨董(こっとう)品…。町内のめむろーどに突如、昭和の雰囲気を漂わせる「ハイカラ横丁」が出現した。「昔なつかしい『ちょいっと横丁』」と名付けられたこのイベントは1日、町内の会社員村上悦子さんの62歳の誕生日パーティーとして友人ら有志と村上さんが協力して企画した。一般人の誕生日会としては異例の180人もの人が集まった。
村上さんは町内の建設会社に勤め、建設現場で大型の建機を操る「普通の会社員」。一方で「人を楽しませることが大好き」(村上さん)という人柄もあり、芽室の夜の飲食店街では「大胆な見た目と違って細やかな気配りができる優しい人」「絶対に人を裏切らない正直な人」と、同性・異性、客・店員を問わず人気者となっている。
これまでも毎年2月1日の村上さんの誕生日には町内の飲食店に友人・知人らが多数集まり、盛大に誕生パーティーを開催。会場で浄財を募り、介護・福祉施設に寄付をする社会貢献も続けている。
2年前の還暦の誕生パーティーは町内の集会施設では最大規模のめむろーど2階・大ホールで開かれ、100人以上が盛大に祝った。昨年は飲食店での開催に戻したが、村上さんの“ファン”の増加で店内に入り切らない人が集まってしまったため、今年は再びめむろーどを会場とした。
町内で飲食店を経営する鈴木健充さん、西村博美さんをはじめ友人や飲食店などが協力し、飲食店街が活気にあふれていた昭和の一時代を思わせるセットを設置するなどイベントをプロデュース。
屋台の他、芽室を拠点に活動するバンド「NEWローガンズ」、津軽三味線奏者の泉田紅梅さんらが「友情出演」して演奏、カラオケコーナーでは、光輝く青のジャケットに身を包んだ村上さんが曲に合わせたダンスを披露するなど自身も会場を盛り上げた。イベント終了後には参加者は町内の飲食店街に流れ、夜の町の活気づくりにも一役。
また、この日集まった収益は町内の知的障害者サービス事業所「オークル」に寄付された。村上さんは「自分の誕生日ということよりも、芽室の人や町が元気になって活気にあふれてほしいという思いでやっている」と笑顔で話していた。(大谷健人)