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1週間程度余震に警戒 十勝で大きな地震、浦幌で震度5強

強い揺れの影響で、大部分の書棚から本が落下。従業員が床に散乱した本の後始末に追われた(3日午前8時40分ごろ、長崎屋帯広店4階の喜久屋書店/ザ・本屋さん折原徹也撮影)

 2日午後11時17分ごろ、十勝管内の更別村内を震源とする地震があり、十勝管内の浦幌町で震度5強を観測した。帯広は震度5弱だった。帯広測候所によると、震源の深さは約108キロ。地震の規模を示すマグニチュード(M)は6・5と推定される。十勝沿岸部で津波は確認されていない。道などによると、管内では割れたガラスで足を切るなど計4人がけが。浦幌、池田、清水など約320戸で停電したが、3日早朝までに全面復旧した。公共施設の天井部材が落下したほか、商業施設で棚の商品が落ちるなどの被害が出ている。

 地震は道内全域のほか東北まで広範囲に及び、釧路と根室でも震度5強を観測した。道内で震度5強の地震は2011年9月7日の日高地方中部の地震以来。十勝で震度5強以上の地震は03年9月26日の十勝沖地震(豊頃などで震度6弱)以来10年ぶり。

 札幌管区気象台は「今後1週間程度、震度4程度の余震が続く可能性は十分考えられる。揺れが強かった地域では、土砂災害、住宅倒壊の恐れが強くなる。積雪が多い地域では雪崩、屋根からの落雪にも注意が必要」と呼び掛けている。

 地震発生の仕組みについて、気象庁によると、内陸部の断層活動による「直下型地震」とし、北海道の陸側プレートの下に海側プレートが沈み込む中で発生した可能性が高いとしている。

 気象庁は、この地震に際し地震検知から7・3秒後に緊急地震速報を出した。

 北海道電力によると、運転停止中の泊原発に地震の影響は出ていない。

 管内各地の震度は通り。
▽震度5強=浦幌
▽同5弱=新得、帯広、音更、幕別、清水、池田、豊頃、本別
▽同4=上士幌、鹿追、足寄、士幌、芽室、中札内、更別、大樹、広尾
▽同3=陸別

国、道も対策本部
 十勝総合振興局は2日午後11時21分、北海道災害対策十勝地方連絡本部(本部長・橋本博行局長)を立ち上げ、帯広開発建設部も災害警戒本部(本部長・大内幸則部長)を設置した。

4人軽傷、天井やガラス破損
 道によると、けが人は4人とも軽傷とみられる。帯広市西1南10の飲食店ビル内で女性(19)がガラス片を踏んでけが。豊頃町内でも男性(24)が自宅で割れたガラス片で足を切った。音更町では給湯器から漏れ出た熱湯で男性(76)が左足にやけど。大樹町では女性(77)が椅子ごと転倒、町立病院に搬送された。

 JR帯広駅構内のほか、音更や池田、清水の学校施設で天井板や壁面が破損。豊頃町内の水道施設で漏水が発生、一部で断水しており復旧を急いでいる。本別町体育館では窓ガラスが割れる被害が報告された。

 JR根室線は線路点検のため、特急など計8本が運転を見合わせ計110人に影響が出た。

 このうち管内では、特急スーパーとかち9号が清水駅-羽帯駅間で停車するなど、普通も含め3本の乗客約60人が代替タクシーに乗り換えた。3日は通常運行に復旧している。

 長崎屋帯広店(帯広市西4南12)では、店舗中央吹き抜けの天井板やガラスが壊れた。3日は店内中央エスカレーターがある吹き抜け部分一帯を閉鎖し午前10時から営業している。

 とかち帯広空港は3日未明までに被害がないことを確認した。

関連写真

  • 地震の揺れで棚の商品が落ちた帯広市内のスーパー

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  • 天井板が落ちた帯広駅

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  • 天井板が落ちた帯広駅②

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  • 屋根材の一部が垂れ下がった広小路商店街

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  • 特急とかち9号(午後11時35分帯広着)が十勝清水駅と羽帯駅の間で緊急停止

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  • 代替のタクシーに乗るため、列車を降りる乗客

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  • 十勝で大きな地震、浦幌で震度5強 写真2

    十勝で大きな地震、浦幌で震度5強 写真2

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