ラジオDJという味方~人の気配
僕の20代は、当時やっていたバンド・Riddim Saunter(リディムサウンター)に全てを注いだと言っても過言ではない。懐かしい日々である。
28歳でバンドを解散してからはKeishi Tanaka名義で活動をしているのだが、今年の11月から1年間だけRiddim Saunterをやることにした。14年ぶりのことである。
そんなタイミングもあり、もちろん懐古主義なんかではないものの、当時を思い出したりもする今日この頃。僕が知る限り、Riddim Saunterをいち早く見つけてくれたラジオDJは、関西のラジオ局・FM802で活躍する土井コマキさんである。今も続く自身の番組で、まだ何者でもなかった僕らを紹介し、曲をかけ続けてくれたのだった。とても感謝している。
もうすぐ20年の付き合いになるだろうか。もちろん本番の時間帯によって使い分けるスキルもあるだろうが、基本的に微熱をまとう彼女の話し方が僕は好きである。音楽番組を作るとなると、もちろんディレクターとの話し合いや、その他にもいろんな事情が絡むと想像するが、自分のアンテナに引っかかった音楽を少しずつでも選曲し続けていることに、僕は大きな信頼を寄せている。そんな彼女だからこそ、今もリリースがある度にスタジオに呼んでくれることをとてもうれしく思う。ソロでの音楽活動は時に孤独を感じることもあるが、このまま突き進めと背中を押される気分だ。あえて言葉にするが、その気分は全てのラジオDJから感じられるわけではない。
「人はわがままな生き物だが、その譲れない部分が大切だったりもする」と歌っている『Foggy Mountain』をコマキさんは気に入ってくれたようだ。番組内でも語ってくれたことを覚えている。自分らしく生きる彼女からの言葉が、また次の曲を生み出していく。
<Keishi Tanaka(タナカ・ケイシ)>
ミュージシャン。1982年大樹町生まれ。帯広柏葉高卒。Riddim Saunterを解散後、ソロ名義での活動を続け、V6への楽曲提供も話題となる。ニューアルバム『Like A Diary』を携え、9月26日は大阪での自主企画を開催する。









