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IST応援の大樹町民団体「大樹インターステラ後援会」解散

ISTからの感謝状を手に、これまでの活動を振り返る(右から)大庭さんと青山さん

 【大樹】大樹町の宇宙開発企業インターステラテクノロジズ(IST)を応援する町民団体「大樹インターステラ後援会」が、解散した。2017年の発足から8年。宇宙観測ロケット「MOMO(モモ)」打ち上げ前から同社を支え続けたが、同社が着実に成長し、ロケット開発も次のステージへと移ったことなどを機に、発展的な解散を決めた。会員たちは「今後も応援する気持ちは変わらない」とし、ISTの活動を静かに見守る考えだ。(松岡秀宜)

 同後援会は、ISTの事業進展が「将来の町の発展につながる」とする町民有志が17年に設立。ロケット打ち上げ時には、のぼり設置や交通整理、テント設営にボランティアで協力。活動資金の支援も行ってきた。

 現在の会員数は117人。会長は大庭滋理さん(大庭医院院長)、顧問は町内の飲食店「四季の味たんぽぽ」の青山利恵子さん。

 この間、ISTは、19年5月4日に町浜大樹のロケット発射場から打ち上げた「MOMO3号機」が高度113・4キロに達して、国内民間企業で初の宇宙空間到達を成し遂げた。これを受けて後援会は24年5月、発射場に記念碑を設置した。

 ISTは現在、人工衛星搭載用ロケット「ZERO(ゼロ)」の開発を急ピッチで進めている。設立当初は14人だった社員数も250人にまで増えた。

 「国からの補助金や、さまざまな大企業からの資金援助も多額になる」(大庭さん)など、着実に成長してきた。事業が順調に推移していることを受け、「当初の目的を果たした」として、7月の総会で後援会の発展的な解散を決めた。

ISTから感謝状
 解散を受け、ISTからは「人も物資も資金も十分とは言えない厳しい状況の中、私たちの挑戦を信じ、ご支援と熱いご声援、そして、皆さんがいてくださることが一番の励ましで、幾多の困難を乗り越える大きな力となった」などとする稲川貴大CEOからの感謝状も贈られた。

 その感謝状を前に、大庭さんは「MOMOの打ち上げは、社員の努力はもちろん、後援会の個人や企業会員の協力がなければ困難だった、と自負している。ZERO打ち上げ時は、新たな世代の人たちが動いてもらえれば」とし、青山さんは「これからも応援することは変わらない」などと静かに話す。


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