メンタルコーチ佐伯さん「ゲームっ子の子育て」出版 音更
【音更】音更町内のメンタルコーチ佐伯和也さん(39)の著書「生きる力を育む ゲームっ子の子育て」(Clover出版・東京)が3日、アマゾンやRakutenブックスなどネット通販で発売された。佐伯さんは、長年を費やして書き上げた労作を手に喜びをかみしめている。(内形勝也)
本書は、第1章「ゲームをやめさせても、なぜ子どもは勉強しないのか?」、第2章「ゲーム依存症の正体」、第3章「本当の問題は、ゲームではなく親子関係にある」、第4章「学校の勉強の前に必要な『学習の素地の育て方』」、第5章「子どもの人生全てを学びに変える『自律学習』」の構成。
佐伯さんがメンタルコーチとして多くの子どもたちと向き合った経験から得た「子どもたちにゲームすることを制限しても自分から勉強し始めることは100%ない」ということを筋道を立てて紹介している。四六判の単行本サイズで全261ページ、1760円(初版1000冊)。
佐伯さんは、1985年大阪府柏原市生まれ。神戸大工学部、神戸大大学院工学研究科電気電子工学専攻修士課程を修了。千葉県に住み、東京都内のITコンサルティングファームのITコンサルタントを退職し、2014年に千葉県内で家庭教師兼メンタルコーチ業を開業。オンライン会議システムZoom(ズーム)で不登校や勉強嫌いな子どもたちと向き合った。18年、結婚を機に音更町に移住。町内のメンタルコーチ会社「BASE Communication(ベースコミュニケーション)」の代表。
執筆のきっかけは、メンタルコーチとして携わった子どもたちの複数の保護者から「ぜひ本を出してほしい」と背中を押されたこと。18年9月に同出版社のプロデュース企画に申し込み、執筆をスタート。丸2年で書き上げたものの、出版社から文章の流れなどの指摘を受け、一から書き直しとなった。「自信を喪失し、半年間はまったく書くことができなかった」という時期もあったが、親身にサポートしてくれた出版社の担当者や、期待して待ってくれている人たちを裏切れないと奮い立ち、再び書き始めた。
それから約4年が経過し、いよいよ第5章を残すのみとなったころで、サポートしてくれていた担当者が近く退職することを知った。「どうしてもこの担当者の元で出版したい」。そこから昨年末までに一気に書き上げた。
完成した書籍を手にする佐伯さんは「心から感動している。子どもを出産する母親の気持ちが分かったような気がする」と達成感に満ちた表情で話す。