チェロと「対話」注目 帯広交響楽団 25日に定期演奏会
帯広交響楽団(井村悦夫理事長、市之川敦子団長)の第45回定期演奏会が25日、帯広市民文化ホール・大ホールで開かれる。本番まで残りわずかとなった17日には、共演者を加えた初の練習が行われた。(菊地青葉)
同団は年1回5月に、共演するプロのソリストや指揮者を招いた演奏会を開いている。今年は指揮者の澤村杏太朗さん、チェリストで足寄町出身の村井智さんを招いた。当日は、ベルリオーズ「ローマの謝肉祭」、ドボルザーク「チェロ協奏曲」、ブラームス「交響曲第1番」を披露する。
この日は澤村さんの指揮の下、チェロ協奏曲を演奏。休憩を挟みながら2時間半ほど練習を行った。団員らは村井さんの奏でる音色に耳を澄ましながら繰り返し演奏し、完成度を高めた。
市之川団長は「チェロのソロとオーケストラを合わせるのは難しいが、一つになった両者の音楽の『対話』が見どころ。ぜひ聴いてほしい」と話している。
演奏会は午後2時半開場、同3時開演。チケットは同ホール内のチケットらいぶで販売している。
感謝の気持ち、音の乗せ
元団員、チェリストの村井さん
共演するチェリストで、元帯広交響楽団員でもある村井智さん(33)に演奏会への意気込みなどを聞いた。
-オファーを聞いた時は。
びっくりした。全国いろいろなオケがあるが、ソリストとして地元の交響楽団からオファーがあったのは本当に光栄。見覚えのある団員の方もお元気そうでうれしい。地元で演奏できる機会はなかなかなく、お世話になった楽団と共演できるのは楽しみ。
-見どころと抱負を。
やはりチェロ協奏曲で、最高傑作とも言われる名曲。故郷チェコを離れて活動した作曲家ドボルザークの故郷を思う曲でもあり、自分とリンクするところがある。(自身の)最初の先生で帯広交響楽団コンサートマスター牧野貴博氏と絡む二重奏も見どころ。楽しく故郷への思いや感謝の気持ちを音に乗せ、良い演奏をしたい。
<むらい・さとる>
足寄町出身。3歳からバイオリン、4歳からチェロを始める。バイオリンを帯広交響楽団の牧野貴博氏に師事。小学校低学年の時に同団で団員として活動した。桐朋学園大学音楽学部、N響アカデミーで学ぶ。第18回日本クラシック音楽コンクール弦楽器部門で最高位受賞。2016~19年はNHK交響楽団チェロ奏者として活動。現在はさまざまな楽団に客演首席として出演し、ソロ、室内楽でも活躍する。