空き施設の食器や備品、常設譲渡 幕別町が実証実験「マクベツジュンカン」
【幕別】幕別町空き施設利用サポートセンターは、拠点とする「幕練」(錦町85)で12日から、本町地区の空き施設に眠る食器などの不要物を必要な人に無料で譲ってリサイクルする「マクベツジュンカン」の実証実験を始めた。リサイクルによって廃棄物を減らすことで、「物が多くて買い手・借り手がつかない」といった課題を解消し、空き施設のさらなる利活用を目指す。(吉原慧)
空き施設の内部に、家具や商品など以前の利用者の物品が残ると、新しい利用者が施設活用に二の足を踏み、処分する場合には費用負担がかさむ。町では空き施設内の不要物が、再利用の障壁となっていた。
そこで昨年度、旧のむら呉服店で備品や商品を無料や安価で譲る「空き施設フリーマーケット」を複数回開催。元店主の野村武志さんも店頭に立ち、利用が可能な物品を町内外からの訪問者に手渡した。
空き施設フリマが訪問者や施設所有者に好評だったことから、今年度はイベントの名称を「マクベツジュンカン」に変え、「幕練」内で常時開催する。開催日は、毎週火-木曜日の午後2時~同4時。改修中の旧菓子店や旧すし店、旧呉服店などから集められた食器類などがずらりと並んでいる。
12日からは物品の持ち込みにも対応。対象となるのは本町地区の空き施設の物品で、リサイクルショップでは引き取ってもらえないがまだ利用可能な品。破損や過度な汚れなど、再利用が難しい品は持ち込めない。1回の持ち込みにつき10種類ほどまで。持ち帰りは町内外問わず誰でも無料で可能。
8日に開催したプレオープンでは、杉野菓子店を事業承継する梁泰植(ヤン・テシク)さんが訪れ、食器などを選んだ。梁さんは「皿など使えそうな物がたくさんある。無料で開業準備を進められる」と話していた。
マクベツジュンカンの運営を担当する町地域おこし協力隊の岡田大介さんは「店から集まった物品なので、デザインがそろっていて使いやすい品が多い。気軽に寄って、持ち帰ってもらいたい」とPRしている。
空き施設の食器や備品、常設譲渡 幕別町が実証実験「マクベツジュンカン」