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山本大会新で2年連続2冠 男子は所が2種目V 全十勝中学校スピードスケート新人戦大会

【女子500メートル】40秒50の大会新記録で優勝した山本彩瑛(大樹)。1000メートルも大会新をマークし2冠を遂げた

 第34回全十勝中学校スピードスケート新人戦大会(全十勝中体連、帯広スケート連盟など主催)が15日、明治北海道十勝オーバルで行われた。山本彩瑛(さえ、大樹2年)は女子500メートルで40秒50、1000メートルが1分21秒38といずれも大会新をマークし、2年連続2冠を達成した。男子は所旺佑(おうすけ、札内東2年)が1500メートルと3000メートルの2種目制覇。1500メートルは1分58秒89と大会記録を更新した。500メートルは鈴木凱大(かいと、士幌中央1年)、1000メートルは井出秀宜(しゅうき、本別2年)が優勝。女子は1500メートルは長岡和(にこ、帯一同)、3000メートルは河村京葉(ことは、士幌中央同)が制した。学校対抗は男子が札内東、女子は士幌中央が総合優勝を果たした。(北雅貴、塩原真)

「去年の自分を超えられた」大会新2冠に安堵 山本彩瑛・大樹
 山本彩瑛が全国トップレベルの圧巻の滑りを見せた。「タイム的にうれしいとまでいかないが、大会新での2冠を目標にしていたので、ほっとしている」と安堵(あんど)した。

 今月初旬に長野で行われた全国中学校大会(全中)では1000メートルを大会新記録で制し、500メートルは2位と躍動。2種目を滑った後は3日間休養を取り、自分へのご褒美として、チョコレートや長野で購入していたカップ焼きそば「ペヤング」などを食べて、リフレッシュした。

【女子500メートル】40秒50の大会新記録で優勝し笑顔を見せる山本彩瑛(大樹)

 調子は決して良くはなかったが、最初の500メートルで、2年前の今井千陽(当時札内2年)の40秒87を0秒37上回る大会新。バックストレートでリラックスした滑りを心掛けた。狙っていた今季の全中500メートル優勝タイム(40秒11)には届かなかったものの、「課題を今後改善していけばいい」と前向きだ。スタートダッシュを終えた50メートルから100メートルまでのつなぎが、「焦ってスケート靴をうまく滑らせていない」と反省した。

 第2種目は最も得意とする1000メートル。今季ずっと目標にしてきた1分20秒切りに挑戦したが、かなえられなかった。「500メートルで全力を出し切ったので、足は動いたが疲れを取り切れなかった。ラスト1周はいつも以上に厳しかった」と苦笑い。ただ、昨年に自身が出した1分22秒45の大会記録を1秒以上塗り替え、「去年の自分は越えられて安心した」と喜んだ。

 高木美帆(TOKIOインカラミ-日体大、帯南商高出)が札内中3年時の2009-10年シーズンに出した、500メートル~1500メートルの3種目の日本中学記録はいまだに破られていない。来季は「美帆選手を越える挑戦をしたい」と目を輝かせた。

【男子1500メートル】1分58秒89の大会新記録で優勝した所旺佑(幕別東)。3000メートルでも圧倒的な力で優勝し2冠を達成した

狙い通りの大会新 負荷高いアップで滑りにキレ 所旺佑・札内東
 「大会新を狙っていたのでうれしい」。所旺佑は笑顔で話した。

 レース前のアップに注意を払った。氷上での公式練習で調子が良くなかった分、陸上トレーニングを多めにした。「一度乳酸を出すことによって足に疲れが来にくくなる」と、スケートのフォームを取りながらジャンプするなど、足への負荷の高いメニューをあえて組み入れた。

 工夫が奏功し、序盤からスケーティングにキレがあった。課題にしていた、700~1100メートルのラップを目標以内に収めた。直線で足の引きつけの速さなどが良く、2年前の菅原瑞生(当時鹿追2年)の大会記録1分59秒56を上回った。

 表彰台を狙った全国中学校大会は、3000メートル4位、5000メートル5位に。長野の同学年や年下のライバルが自分より上位におり、悔しさをかみしめた。全中後の練習は、長野勢のラスト1周の踏ん張りを思い返し、ギリギリまで追い込むように。「1500メートルは95点。(全中で表彰台に立てる1分)57秒台だったら、さらに良かった」と貪欲だ。

 次なる目標は3000メートルで3分台、5000メートルで6分台。「来季の早い時期に出したい」と力を込めた。

【男子500メートル】鈴木凱大

挑戦の500mで初の39秒台 鈴木凱大・士幌中央
 1年生の鈴木凱大は、今大会を「挑戦」と位置付けていた。

 全国中学校大会では1000メートルが8位、1500メートルは6位と2種目入賞の大健闘。今回は「短距離も長距離もやりたい」。500メートルと、初滑走となる3000メートルにエントリーした。

 500メートルはスタートこそ出遅れたものの、100メートルを通過後の第1カーブでテンポを上げた。加速してバックストレートの伸びにつなげた。41秒46の自己記録を1秒68も更新し、39秒台に突入。「もしかしたら表彰台に行けるかな」と考えていた種目での優勝に、驚きを隠せなかった。

 1000メートルを中心に戦う決意は固く、もう1種目を500メートルか1500メートルで迷っているという。「今年の全中で速い人がたくさんいると分かった。自分はコーナーも直線もまだまだ。とにかく速くなりたい」と意気込んだ。

【男子1000メートル】初優勝を飾った井出秀宜(本別)

インフル罹患で練習できない期間あるも1000m初制覇 井出秀宜・本別
 井出秀宜はうれしい十勝初制覇となった。「思うような練習ができていなかった割りには、頑張れた」と話した。

 軟式野球との二刀流。例年通り10月下旬からスケートに切り替えた。全十勝中学校選手権大会のスプリント部門で、500メートルを2本とも39秒台で滑り、40秒台の壁をクリアするなど順調。苫小牧の屋外リンクで行われる道中学校大会の対策として、釧路に出向いて練習するなど精力的だった。

 ただ、1月上旬の道大会後にインフルエンザなどに罹患(りかん)。大事な時期に誤算が続いた。

 全国中学校大会で3年生の速く力強い滑りに刺激を受けた。「自分も来年、あのようになりたい」。今回の1000メートル優勝で弾みを付けたいところだ。

【女子3000メートル】自己ベストとなる4分34秒48で優勝した河村京葉(士幌中央)

フォーム改善着手で自己ベスト6秒近く更新 河村京葉・士幌中央
 河村京葉が3000メートルで2位に大差を付けて頂点に立った。自己記録を5秒54更新する快走に「うれしい。ラップの落ち幅を少なくできたことが結果につながった」と喜んだ。

 全国中学校大会では1000メートルも1500メートルも4位。表彰台まであと一歩に迫った。今回はスピードと、ラップのキープの強化を図ろうと、500メートルと3000メートルにエントリー。500メートルも自己ベストで2位に入り、手応えを感じた。

 全中以降、さらに調子を上げており、フォームの改善にも着手。「これまでは足にすごく力が入ってしまい疲れやすかった。股関節で氷を押す感覚を意識した」とさらなる成長を図る。来季は1500メートルで全国制覇を目指す。

【女子1500メートル】長岡和(帯一)

スケート靴は試行錯誤「1位は励みになる」 長岡和・帯一
 「タイムは満足していないが、1位を取れたのはうれしかった。今後の励みになる」。長岡和は静かに振り返った。

 1年生だった昨季は、全国中学校大会の1500メートルで4位に入賞し、3000メートルも2位相当のタイムでゴール(その後に失格が判明)した実力の持ち主。ただ、今季はスケート靴が合わずに取り換えるなど道具で苦労した。全中が終わった後に、一時期使用していた靴に再び戻すなど試行錯誤は続く。

 1500メートルは昨季にマークした自己ベストを更新できなかった。「苦しいシーズンだった。来年の全中で笑えるように、練習で積極的に先頭に立つなどして技術も体力も向上させたい」と前を向いた。

(10位まで)
【男子】
▽500メートル
(1)鈴木凱大(士幌中央)39秒78
(2)川村莞太(池田)39秒79
(3)井出秀宜(本別)40秒32
(4)久保世翔(浦幌)41秒07
(5)飯島昂生(士幌中央)41秒14
(6)青木輝斗(札内)41秒97
(7)山崎礼翔(同)42秒52
(8)長岡蓮(駒場)42秒72
(9)吉川晏利(本別)43秒03
(10)田村光一朗(更別中央)44秒05
▽1000メートル
(1)井出秀宜1分22秒09
(2)久保世翔1分23秒59
(3)山崎礼翔1分26秒71
(4)吉川晏利1分26秒97
(5)田辺雄大(駒場)1分29秒00
(6)長岡蓮1分29秒31
(7)三宅紳二朗(池田)1分31秒13
(8)田村光一朗1分32秒13
(9)山田樹弥(中札内)1分35秒95
(10)山内奏和(帯翔陽)1分36秒88
▽1500メートル
(1)所旺佑(札内東)1分58秒89・大会新
(2)福澤芯之助(上士幌)2分4秒99
(3)高橋玄樹(札内)2分6秒08
(4)大野隆晴(士幌中央)2分9秒47
(5)松田琥汰楼(札内東)2分10秒35
(6)新妻由都(緑南)2分12秒46
(7)櫻井奨之助(札内東)2分12秒85
(8)上田弘法(勇足)2分14秒11
(9)正保力(瓜幕)2分14秒71
(10)田辺雄大2分15秒99
▽3000メートル
(1)所旺佑4分11秒95
(2)高橋玄樹4分22秒86
(3)大野隆晴4分32秒94
(4)福澤芯之助4分35秒23
(5)松田琥汰楼4分35秒87
(6)上田弘法4分37秒56
(7)川村莞太4分39秒81
(8)青木輝斗4分41秒20
(9)櫻井奨之助4分42秒95
(10)正保力4分45秒49
▽学校対抗
(1)札内東26点
(2)札内25点
(3)士幌中央23点
(4)本別19点
(5)浦幌12点
(5)上士幌12点
(7)池田11点
(8)駒場8点
(9)勇足4点
(10)緑南3点

【女子】
▽500メートル
(1)山本彩瑛(大樹)40秒50・大会新
(2)河村京葉(士幌中央)41秒34
(3)笹渕花乃(帯七)41秒60
(4)中川琴葉(士幌中央)41秒84
(5)野口夏帆(同)42秒29
(6)松田華(帯翔陽)42秒69
(7)成田樹々(帯五)43秒34
(8)幸田雪菜(帯南町)43秒47
(9)大澤朱莉(札内東)43秒54
(10)朝日優衣(上浦幌)43秒67
▽1000メートル
(1)山本彩瑛1分21秒38・大会新
(2)大丘紗悠(芽室西)1分26秒27
(3)松田華1分26秒74
(4)人見千結(足寄)1分27秒996
(5)大澤朱莉1分27秒997
(6)野口夏帆1分28秒25
(7)朝日優衣1分29秒65
(8)竹中さくら(駒場)1分30秒67
(9)金田芽生(札内東)1分30秒76
(10)保木彩花(帯二)1分31秒11
▽1500メートル
(1)長岡和(帯一)2分11秒69
(2)島ゆのん(緑南)2分14秒20
(3)齊藤永笑(帯八)2分14秒78
(4)小野寺仁菜(士幌中央)2分18秒74
(5)竹中さくら2分19秒96
(6)高橋希乃花(鹿追)2分20秒53
(7)沼袋颯杏(幕別)2分21秒07
(8)横山仁奈(芽室)2分22秒68
(9)吉田百那(駒場)2分22秒79
(10)森陽菜乃(足寄)2分24秒04
▽3000メートル
(1)河村京葉4分34秒48
(2)長岡和4分39秒01
(3)人見千結4分42秒50
(4)中川琴葉4分45秒62
(5)大丘紗悠4分45秒78
(6)齊藤永笑4分47秒03
(7)小野寺仁菜4分47秒81
(8)島ゆのん4分48秒07
(9)成田樹々4分53秒70
(10)笹渕花乃4分54秒80
▽学校対抗
(1)士幌中央39点
(2)大樹16点
(3)帯一15点
(4)芽室西11点
(5)足寄11点
(6)帯翔陽9点
(6)帯八9点
(8)緑南8点
(9)帯七6点
(10)駒場5点
※学校対抗の同点による順位は大会規定による

関連写真

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