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元地域おこし協力隊の中野さん起業、ガイドや保育園留学サポート 上士幌

「地域のつながりを大事にして町民や移住者に上士幌をもっと好きになってほしい」と笑顔を見せる中野さん

 【上士幌】3月まで上士幌町の地域おこし協力隊を務めていた中野可南子(かなこ)さん(28)が、ガイドや保育園留学などを手掛ける合同会社「soil」(そいる)を設立した。中野さんは「これまで築いたつながりや、ネットワークを終わらせるのではなく、地域と地域の架け橋になれるようにサポートをしたい」と意欲を見せている。(大健太郎)

 中野さんは岡山県倉敷市出身。小学生の時に自然との触れ合いを体験するサマーキャンプに参加し、北海道を訪れた。ナキウサギを見つけるために登山をしたほか、富良野などで自然を満喫し、いつか住んでみたいと思うようになった。

 大学卒業後は、保育士として岡山市の保育所で勤務。当時、上士幌で地域おこし協力隊として活動していた姉の島田裕子さん(32)に会いに同町を訪問。生き生きと懸命に働く姿を見て、協力隊の仕事への興味や北海道への憧れが再燃した。

 子どもに関わる町の協力隊の仕事を知り応募。子育て環境も充実していたため、強みを生かせると思い、幼児教育支援コーディネーターとして、2021年4月から認定こども園で働き始めた。町有林をフィールドにし、子どもたちが自由に遊べるプログラムを考えたほか、園児たちと一緒にサツマイモを掘るなどして信頼関係を深めていった。

 「上士幌はチャレンジしやすい環境が整っている」と実感する日々を過ごした。町民や協力隊の知り合いも増えて、卒業後も一緒に仕事がしたいと思い、町に残って起業を決意。会社名の「soil」には日本語で「土」という意味があり、文化や自然など魅力的な土地に触れて、上士幌を好きになってほしいと願いを込めた。

 今は、町の旧国鉄士幌線「タウシュベツ川橋梁(きょうりょう)」のガイドや、子どもを町内の保育園などの施設に通わせる「保育園留学」に参加する利用者のサポートなど幅広い業務をこなしている。今後は畑で親子向けの収穫体験などの企画を練っている。

 姉の島田さんは町地域おこし協力隊員(18年4月~19年5月)を経て、21年2月から町内のカミシホロホテルの支配人として活躍する。姉妹そろって上士幌が再出発の地となり、島田さんから「新しい事業を頑張って、一緒に地域を盛り上げていこう」とのエールを受ける中野さんは「初めて上士幌に来たときの気持ちを忘れずに、町の魅力を伝えていきたい」と張り切る。

 ガイドや体験活動など仕事に関する問い合わせは中野さん(nakano@tokachi-soil.com)へ。

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