帯畜大そばでクマ出没との情報、姿見当たらないものの住民に不安
10日午前6時20分ごろ、帯広市西19南41の売買川付近を散歩していた女性から「クマを見た」と、帯広署に通報があった。人や家畜などへの被害は確認されていない。付近には帯広畜産大学や帯広農業高校、さらには住宅地なども広がるため、同署や同市、道猟友会帯広支部などが厳戒態勢を敷き、市民らに注意を呼び掛けた。(松岡秀宜、北村里沙、高井翔太)
同署や同市によると、目撃されたクマとみられる個体は体長1メートル以上の成獣とみられ、空南橋から北東200メートルほどの売買川左岸にいたという。女性は通報から30分ほど前の同日午前5時50分ころ、100メートルほど先でクマのような個体を目撃した。
現場付近には、同署員や市農村振興課の担当者らに加え、同支部のハンター2人も出動。「空南橋の北東にいた」というクマとみられる個体の足跡などを探したが、確認できなかったという。
ただ、近くに帯畜大や帯農高があり、住宅地も広がっている。通学中の学生らも多くいるため、同署員が「この付近でクマが出ているので注意して下さい」との呼び掛けを繰り返した。同市では、同日午前10時35分ごろ、空南橋と学園橋付近に「クマ出没注意」の看板を設置した。
帯農高では、生徒と保護者に「クマの目撃情報があった」とする内容のメールを送信。授業前のホームルームでは、「一人での下校をなるべく避け、暗くなる前に帰宅するように」などと呼び掛けた。現時点では、部活動は通常通り行う予定。帯畜大は、同署や同市からクマの痕跡がなかったと連絡を受けたため、「休校などの措置は取らない」という。
通学途中の帯畜大1年の男子学生(19)は、「近くに住んでいるが、きょうは午前6時くらいにも外出した。クマに遭った可能性があったかと思うと本当に怖い」と驚いた様子。
38年前から付近の住宅地で暮らす団体職員の徳岡洋介さん(63)は「クマの目撃情報は初めて。(クマがいるとされる)八千代からつながっている川で、気をつけないといけない」と話した。
市農村振興課は「クマが移動することが多い薄暗い時間帯には、1人で目撃場所周辺には近付かないで」としている。
なお、12日に全市一斉河川清掃を予定していた帯広市町内会連合会は、売買川沿いでの清掃活動を中止することとした。
帯畜大そばでクマ出没との情報、姿見当たらないものの住民に不安