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更別の廃棄野菜をドッグフードに フードロス削減 新たな特産品を目指す

廃棄野菜を活用し、官民が協力して開発したドッグフードを紹介する村産業課の職員

 【更別】更別村は村内の農家や企業と協力し、廃棄野菜を利用したドッグフードを開発した。10日に村内の商店などで販売を始める。村産業課の知本真也係長は「廃棄野菜を有効に活用し、フードロスにつなげたい」と話している。(近藤周)

 村の農家では、傷や規格外のため、畑にすき込むなどして捨てられる廃棄野菜は多くある。品質には問題がない廃棄野菜の有効利用は、生産者の新たな利益につながるほか、地元野菜の利用で村の特産品としても売り出せる。

 野菜の収穫時期が限られていることから、廃棄野菜が出る時期や廃棄量が年によって不確定なため、加工して日持ちするドッグフードの開発を決めた。

 取り組みは「更別村フードロス削減プロジェクト」として昨年夏から始動。今年度は村内の道見農場(道見知也代表)の畑で廃棄されたニンジンとカボチャから2種のドッグフードを開発した。食肉加工などを手掛ける村内の企業「肉の十勝」(大友将義代表)が野菜の加工を担う。

 道見農場では今夏の記録的な猛暑により特にニンジンの割れによる廃棄が多く出たという。道見代表は「使えるなら有効に活用してもらいたい」と協力した。

 自身も愛犬家だという大友代表は「無添加、無着色、無保存料のものは愛犬にも安心して与えられる」と商品に手応えを感じる。大友代表や知本係長の愛犬たちにあげたところ、甘みのある野菜から作られたドッグフードは食いつきもよく、嗜好(しこう)性も期待できそうだという。

 今年度分は2種合わせて200~300袋を売り出す。1袋680円(25グラム入り)。村内の道の駅さらべつ(弘和464)、ヤマジョウ(南1線91)、中札内村の十勝野フーズカンパニー(東1北1)で販売する。また、更別村のふるさと納税の返礼品にも加わる。

 今後はキャベツやスイートコーンでのドッグフード開発に取り組み、種類を増やしていくことを検討。知本係長は「野菜提供農家を増やしていくとともに、プロジェクトのルールづくりも課題となってくる」とし、来年度の取り組みにも意欲を見せている。

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