牛の生涯知り「命見つめて」 士幌えんどう畜産がCF返礼品に肉と映像
【士幌】士幌町の素牛農家「えんどう畜産」(遠藤良平代表)は、傷を負って単価が下がった和牛「蓮秋(れんしゅう)21」の肉と、その生涯をまとめた映像を返礼品とするクラウドファンディング(CF)を27日まで実施している。発案した遠藤代表の妻・恭子さん(39)は、「食育に生かしてもらえれば」と期待する。
えんどう畜産は子牛を育てて売る素牛農家で、約1000頭を育成、月に100頭ほど全国の肥育農家に出荷している。3年前から不定期に町内の道の駅ピア21しほろで、傷を負うなどした牛の肉も安価で販売している。
牧場の管理獣医師として働く恭子さんは、消費者に命の大切さを伝えたいと考え、同道の駅で販売する牛肉のパッケージにQRコードを記載。読み込むと母牛の出産の瞬間などを紹介する動画を視聴できる取り組みを行っていた。この取り組みが好評で、今回のCFを考えたと恭子さん。蓮秋21が生後7カ月でアブに刺され、膿(うみ)を持って手術したことなど、これまでの一生を動画にした。
恭子さんは「ただ蓮秋21の肉を食べるだけじゃなく、過去の生きざまを知ることで、命の大切さが伝わると思う」と話し、支援を呼び掛けている。5000円から寄付が可能。詳細、申し込みはCFサイトへ。(山田夏航)