壊れたおもちゃを病院へ 思い出の詰まった物を子や孫へ
【足寄】足寄町社会福祉協議会(星崎隆雄会長)が、壊れたり動きが悪くなったりしたおもちゃを直す「おもちゃ病院」の事業を始めた。ボランティアが丁寧に“診察と治療”に励んでいる。修理や点検は無料で、部品交換のみ実費となる。帯広、幕別に続いて管内3カ所目で、これまでに十数件の復活に貢献した。ボランティアの富士田和夫さん(72)は「難しいが、治療が終わった後の依頼者の喜ぶ顔を想像すると楽しい」と張り切っている。(北雅貴)
おもちゃ病院は全国組織の「日本おもちゃ病院協会」(東京)の登録団体。12月18日現在、十勝管内では足寄を含めて3市町にある。9年前から活動する「帯広おもちゃ病院」と「おもちゃ病院旭川」の代表を務める高橋章さん(78)=帯広=の呼び掛けで、足寄でも9月に“開院”した。
町地域子ども会育成連絡協議会の会長を長年務めてきた富士田さんらボランティア2人は、高橋さんの支援を受けて少しずつ修理方法を学んでいる。
町社協では「ある程度は直せる場所として認知され、長く大切に使ってもらえる手助けになれば」と期待。当面は修理希望のおもちゃが一定数たまった段階など随時修理するペースだが、「まだボランティアの人数が少ない。経験を積み技術も上げて、いつかは月に1、2度のペースで、持ち込まれた方と対面で直して返したい」と話す。
今月の修理は難易度が高く、高橋代表の助言をもらいながら診察。クレーンゲームのメイン部分を分解してギアの割れを発見。日本おもちゃ病院協会からギアが届き次第、修理に当たることになった。
クリスマスプレゼントで新しいおもちゃをもらった子どもは多いが、壊れた物も修理して使い続けることで、「物を大事にする心も育めるのでは」と富士田さん。「おもちゃは子どもにとって思い入れがあるほか、思い出の詰まった古いおもちゃを子や孫に使ってほしいと願う大人もいる。手先は器用なので、もっと上手になれるように頑張りたい」と笑う。
町社協はボランティアも募集している。
問い合わせ、申し込みは同社協(0156・28・0722)へ。
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