チーズ振興国際団体の会員に十勝の3人叙任
チーズ振興に取り組む国際団体の日本支部「ギルド・クラブ・ジャポン」の叙任式が10月中旬、札幌市などで開かれた。十勝からは新たに3人が会員となり、チーズ製造や普及へ意欲を新たにしている。(松村智裕)
チーズ製造関係では、TOYOチーズファクトリー(芽室)の責任者を務める七海一樹さん(36)とチーズ工房NEEDS(幕別)常務取締役の磯部公児さん(55)、普及関係で、北海道ホテルの料飲サービス部門部長の吉野祐一さん(64)が選ばれた。
国際団体「ギルド・アンテルナショナル・デ・フロマジュ コンフレリー・ド・サンテュギュゾン協会」(本部フランス)は世界44カ国に支部があり、9000人以上の会員が在籍。十勝からの会員誕生は2年ぶりで、今回の3人を含めて現役会員は計11人となった。
「ハードに力」
七海さん
七海さんは大手乳業メーカーでのチーズ製造を経験後、2017年に東陽製袋に入社。同社が運営し20年に開業したチーズファクトリーに準備段階から関わった。自前のミルクタンクローリーを持ち、チーズは会員制で販売。七海さんの実家(更別)を含む管内4牧場の生乳を合乳せず扱っている。「叙任は大変光栄。将来は管内19市町村の各牧場ごとにチーズを作り、長期熟成のハードタイプに力を入れたい」と話す。
「品質を維持」 磯部さん
磯部さんは兵庫県尼崎市出身。北海道に移住し、大樹町の大石農産やたむらやで勤めてチーズ業界と関わりを持つと、17年にNEEDSに入社。翌年には工場長に就任し、チーズ製造の中核を担っている。「『いつもテーブルにチーズを』」が会社のモットー。「北海道物産展では十勝のチーズはおいしいと人気が高い。その期待に応えて、安定した品質の維持に取り組みたい」と力を込める。
「魅力伝える」 吉野さん
東京出身の吉野さんは北海道ホテルの開業(1995年)から携わり、元副総支配人。ソムリエの資格を持ち、ワインに合うチーズについて造詣が深い。2017年にチーズプロフェッショナルの資格を取得した。「私にとっては宝物のような称号。この15年ほどで個性的な味のチーズを楽しむお客さまが増えてきた。これからもチーズの魅力を伝えたい」と話した。