十勝ワインの木だるで熟成 自家焙煎コーヒー提供 中札内
【中札内】中札内村の自家焙煎コーヒー店「トカプコーヒー」(大通南6)は、コーヒーの生豆(きまめ)を十勝ワインの木だるで熟成させた「バレルエイジドコーヒー」の提供を始めた。同店の木村務代表は「ワインの香りと風味が漂うコーヒーを村の人に味わってほしい」と話している。
バレルエイジドコーヒーにはウイスキーやワイン、ラム酒などの熟成に用いた後のたるを利用するが、木村代表は「十勝はワインが有名。そのワインだるで寝かせたコーヒーは十勝の特産品になるのでは」と考えた。昨年、十勝ワインを製造する池田町ブドウ・ブドウ酒研究所に構想を提案。たるの入れ替えに伴い今年2月、同研究所の赤ワイン「清見」の醸造に8年間使用されたフレンチオーク材の500リットルだるを手に入れた。
コーヒー豆は、酸味と甘みを備えワインの風味と相性がいいことからグアテマラ産の生豆を使用。試行錯誤の末、コーヒー豆をたる内で1カ月前後熟成させることにした。
熟成中のたるは音更町の道の駅ガーデンスパ十勝川温泉の施設内で展示しており、木村代表は週に1度、豆をかき混ぜるため同施設に足を運ぶ。
トカプコーヒーでは、新商品バレルエイジドコーヒーを14日から提供。ホットは1000円(テークアウト900円)、ワイングラスで出すアイスは1100円(同1000円)で、いずれも足寄町のしあわせチーズ工房の熟成チーズ「幸」が付く(テークアウトは除く)。
同チーズは、村内のワインショップ「ル・ブルー」の店主で、チーズスペシャリストの梶山千裕さんがセレクトした。同コーヒーの豆は、100グラム1800円で販売している。
同コーヒーのアイスを試飲した森田匡彦村長は「ワインの香りがして味わいに深みがある。木村代表が梶山さんに声を掛け、村内の事業者同士のコラボが実現したことも非常に画期的」と語った。木村代表は「ホットとアイスとでは味わいが違う。飲み比べてみてほしい」と話している。(斉藤さゆり通信員)