十勝が開催候補の「和牛全共」とは コロナ下の昨年は30万人、効果66億円
十勝が開催候補地に決まった全国和牛能力共進会は、「和牛のオリンピック」とも呼ばれる国内最大規模の家畜品評会だ。全国各地の和牛産地が、改良の成果などブランドの威信を懸けて競い合う。昨年の鹿児島大会には、30万人が来場するなど注目度は高く、管内では過去最大級のイベントになりそうだ。
大会は全国和牛登録協会(京都)が5年に1度開催している。これまで九州や中国地方など和牛生産が盛んな地域で開かれてきたが、次回は初めての道内開催になる。和牛を生きたまま審査する種牛の部と、枝肉にして競う肉牛の部に計500頭以上の出品が予定される。
全国各地から出品者やスタッフ、農業団体関係者らが訪れ、物産や食を楽しめる催事エリアには一般の来場者も足を運ぶ。2012年の長崎大会は約48万人、17年の宮城大会は約42万人が来場。昨年の鹿児島大会はコロナ下ながら約30万8000人が集まり、県は経済波及効果を66億2800万円と推計した。
管内で開かれた大型イベントでは、18年の国際農機展に20万人、06年のラリージャパンに25万人が来場したが、それを上回る規模になる見通し。鹿児島大会の閉会式で鈴木直道知事は、「全国の和牛生産者が目標とする大会を北海道で初めて開催できることは大変うれしい」と話し、来道を呼び掛けた。地元に大きな経済効果をもたらし、北海道や十勝の和牛ブランドと観光資源、食を発信する機会になる。(安田義教)