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新藤丸、続く地権者協議 「つなぎ」事業を検討

「灯を消さないよう、できることを続けている」と、藤丸前で視察リポートを示す(左から)村松社長と山川顧問

 地元百貨店・藤丸の閉店から2カ月余りが経過した。再建を模索している新会社・藤丸株式会社(帯広市、村松一樹社長)では、建て替えも選択肢とすることを発表し、営業再開まで長期化が予想されている。この間、先進地視察などを通じ、新施設の在り方などを模索している。

 藤丸をめぐっては、地方創生ベンチャー・そら(同、米田健史社長)が昨春から旧藤丸の事業スポンサーとなり再生を主導。現体制での営業は1月末で終了し、新たな形での営業再開を目指している。昨年12月、同社と帯広日産自動車の親会社、村松ホールディングスが新会社を立ち上げた。

 2月1日付で新会社の顧問に就いた山川知恵氏が、3月下旬から4月上旬にかけて、大阪と旭川の商環境を視察。大阪は食を中心とした百貨店事情、旭川は百貨店閉店後の再生状況などを調査、リポートでまとめている。

 新会社では営業再開に際し、建て替えか耐震施設改修工事を選択肢としており、村松社長は「建設的アプローチやフロア構成などの参考にする」と説明する。

 ただ、再生手法や営業再開時期などの詳細は「地権者との合意時期などによって大きく変わる」(村松社長)ことなどを理由に明言していない。

 新会社では営業再開まで長期化することをにらみ、「つなぎ」となる事業の具体策を検討。藤丸ブランドをうたったECサイト(電子商取引)の開設や広小路で企画されているホコテン内での藤丸コーナー展開など。また、歳暮時期を目標に贈答品販売も模索する。

 再開のカギを握るのは、旧藤丸の清算。具体的には、現地権者の権利を集約した上で新会社側などが取得することと、旧藤丸の膨大な金融債の整理だ。村松社長は「地権者との交渉は互いに前向きに話し合いをしている。合意した時点ですぐに動けるよう、できることを準備していく」とした。(佐藤いづみ)

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