りくべつ鉄道の売上高過去最高 4年連続で更新 陸別
【陸別】陸別町内で列車の運転や乗車が体験できる「ふるさと銀河線りくべつ鉄道」の2022年度の売上高が、1800万円(前年度比140万円増)と過去最高になった。最高を更新するのは4年連続で、好調を維持している。鉄道ファンに人気がある運転体験コースの利用増のほか、新設した排雪モーターカー(ハイモ)の運転体験の利用が75万円に。利用者数もコロナ禍前までには回復していないものの、468人増の3725人となった。運営する陸別町商工会(石橋強会長)の杉本武勝事務局長は「お客さんが少しずつ戻ってきてくれているのと、新たな取り組みが予想以上の人気だった」と話している。(北雅貴)
同鉄道は廃線となった旧ふるさと銀河線の気動車両を活用した乗車や運転のほか、1周400メートルのトロッコの体験メニューなどを提供。22年度の営業日数は、4月23日から10月31日までで、前年度より3日多い194日。利用者数は、乗車体験が1301人(前年比125人増)、トロッコ乗車体験は1532人(297人増)、ハイモの25人を含む運転体験は892人(56人増)で、合計は3725人(468人増)だった。
運転体験のうち、本格的に楽しめるLコース(2万円)は、前年より51人多い202人で404万円(前年比102万円増)を売り上げた。新銀河コースは126人が体験し441万円(31万5000円増)。関東圏や愛知、大阪、福岡の運転愛好者のほか、「近場で気軽に過ごす」(杉本事務局長)とみられる札幌や帯広など、道内の利用客も増加した。ツアー団体客数も前年度より倍増し、回復の兆しがある。
23年度は、開業15周年記念事業の開催も夏ごろに実施する方針。子ども向けの「イベント列車」や陸別町産食材の駅弁を楽しめる「駅弁列車」の1日運行を予定している。
同鉄道は08年度から営業を始め、19年度にはNHK連続テレビ小説「なつぞら」のロケ地となった効果もあり、初年度を除いて最も多い6023人が利用した。新型コロナウイルスの影響で20年度は4055人、21年度は3162人と落ち込んだ。それでも、20年度に新銀河コース(構外2・8キロ、3万5000円)、21年度には国内最長の運転体験ができる「分線コース」(同5・7キロ、6万円)と高価格帯の運転体験コースを次々と開設。全国の愛好者やリピーターが訪れたこともあり、売上高の最高記録を更新し続けてきた。