管内スーパー、生活応援で“値下げの春“
食品や日用品などの値上がりが続く中、十勝管内の食品スーパーマーケットなどでは、EDLP(エブリデー・ロー・プライス)の強化やプライベートブランド(PB)品の価格据え置きなど、いわゆる生活応援の動きが活発になっている。巣ごもり需要がひと段落し、各種商品価格の高騰による消費マインドの冷え込みを少しでも緩和しようと各社とも懸命だ。
フクハラなどを展開する福原(帯広市)は4月から、これまでの月間特売を「生活応援宣言」と改称した上で、EDLP商品の取り扱いアイテムを大幅に増やす。「スーパープライス」の商品と合わせると、約3200アイテムに及ぶ。これまでと比べ、3割以上増える計算だ。
対象は生鮮や加工食品、日用品など幅広く設定。通常売価と比較した割引率は、平均11%。一部メーカーの乾麺パスタ(1キログラム)は17%オフの228円、同じくキャノーラ油(同)は11%オフの368円(いずれも本体価格)など、油や小麦製品など原料が値上げされる品も積極的に盛り込んでいるのが特徴。
同社ではこうしたEDLP企画、売れ筋などを見ながらアイテムを見直し、継続していく考え。鷲平雅保常務は「ウクライナ情勢なども加わり、今後も値上がり傾向は続く。生活必需品の取り扱いが多いだけに、対策も重要になる」と話した。
ダイイチ(同)は4月から、EDLP企画「パワープライス」のアイテム数を、これまでの約1・7倍の50アイテムに増やす。大手メーカー側の相次ぐ値上げへの対策の一環。工藤伸昭執行役員商品本部長は「今春の値上げ・価格改定は3000アイテムほどと多く、あまり経験したことがない。消費者が買い控えをしないよう、日替わり特売も交え、生活応援につなげたい」と話した。
マックスバリュなどを展開するイオン北海道(札幌市)は、昨秋に開始し、1月に拡充したPB「トップバリュ」の食料品・日用品約5000品目の価格の据え置きを、6月末まで延長すると、今月24日に発表。「独自物流の効率化など企業努力でくらしを応援したい」(環境・社会貢献・広報・IR部)とコメントした。
大手メーカーが4月1日から食品や日用品などの商品価格の引き上げを相次ぎ発表。小麦など原材料価格の高騰などが理由で、範囲は幅広い。関係者は今後も価格上昇は続くとみている。(佐藤いづみ)