お菓子のニシヤマ 十勝初の優良小売店最高賞 ミートとみおかも入賞
公益財団法人食品等流通合理化促進機構(東京)が行う今年度の「第31回優良経営食料品小売店等表彰」で、「お菓子のニシヤマ」(更別村、今井良幸代表)が最高賞の農林水産大臣賞に選ばれた。道東では初の快挙。5席に当たる同機構会長賞には、ミートとみおか(帯広市、冨岡克也代表)が選ばれた。
同表彰は、独創的な経営技術で優れた経営成績を挙げる全国の中小食料品小売店などが対象。前身も含め1977年から続く。大臣賞3社など34社が入賞。過去、道内での最高賞は道央圏2社。2月22日に東京都内で表彰式が行われた。
過去の個数参考
お菓子のニシヤマは75年、現在地で今井代表の伯父、西山良實さんが創業。2005年に今井代表(44)が事業を引き継いだ。12年に店舗を改装し、現在は妻の栄里奈さん(44)のほかパート従業員2人で店を切り盛りしている。
授賞で評価されたのは、廃棄ゼロを目指す取り組み。経理担当の栄里奈さんは06年ごろから、毎日の気象条件やイベントの有無、菓子の生産数を手書きでまとめている。過去の同時期の生産個数を参考にしながら品余りを防止。週末は全商品を売り切り、平日でもロスを1割以下に抑える。
同店を推薦した日本政策金融公庫帯広支店事業承継アドバイザーを務める山崎剛史さんは「村民の生活リズムに合わせた生産計画に感銘。全国でも参考になる事例」と評価した。
24日に更別村役場を訪れ、西山猛村長に報告した今井代表は「特別なことはしていないが、自分たちの当たり前が間違ってないと分かりうれしい。今後はパートの人も生産に加われるよう必要な機械化を進め1日の労働時間削減を目指したい」と語った。
対面販売に力
ミートとみおかは1973年に市内中心部で創業。2020年に現在地(西5北1)に新築移転した。精肉は注文後にカットする対面販売を強化、創業時からの豚丼のたれや黒豚ハンバーグなど手作り加工品もそろえる。現会長の慎吾氏(74)は兄の達朗氏(故人、初代社長)と二人三脚で店を運営、07年から社長。今年2月、長男の克也氏(45)に社長を譲った。
同社は道食肉事業協同組合連合会の推薦で応募。克也社長は表彰式には出られなかったが、「大変うれしい。地域の食肉店として顧客を大切にし、挑戦もしながら営業を続けていきたい」と話していた。(本田龍之介、佐藤いづみ)
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