年末年始の生乳廃棄回避 十勝の農業関係者、消費拡大運動に感謝
年末年始の需要減に伴い懸念された生乳の大量廃棄は、5日までに全国で報告されておらず、一大生産地の十勝管内の農業関係者も各地で広がっている生乳消費拡大運動に感謝した。ただ予断を許さない状況は続いており協力を求めている。
Jミルク(東京)などによると、官民挙げた消費拡大策や乳製品の増産もあり、5日時点で、全国で処理不可能乳が出た報告はない。十勝管内でも行政や団体、企業、個人などが、牛乳や乳製品の消費喚起の運動を展開してきた。
こうした状況に、十勝地区農協組合長会の有塚利宣会長(JA帯広かわにし)は、「各界で回避に取り組んでもらい、マスコミを通じて危機が広まったことで、最悪の事態を避けられた」と述べ、十勝農協連の山本勝博会長(JA中札内村)も「皆さんの絶大な協力で廃棄が回避されて生産者は感謝している」と語った。
ただ、需要が最も落ち込む年末年始は過ぎたが、学校給食の再開までは予断を許さず、春休みも再び消費減が予想される。外食産業などで需要回復も、オミクロン株の感染拡大もあって先行きは不透明だ。
有塚会長は「まだ油断できない。生産抑制も促進もできない難しい環境にある。皆で協力をお願いしたい」と話していた。(安田義教)