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自宅で「源泉掛け流し」気分 札内地区で温泉宅配開始 幕別悠湯館

浴槽に温泉を注ぐと、あっという間に硫黄のような香りが広がった

 【幕別】幕別町内の幕別パークホテル悠湯館(依田126、馬渕樹哉社長)は、札内地区限定で温泉の宅配を始め、好評を得ている。コロナ禍で人との接触機会を減らそうと温泉施設に足が遠のく利用者らがターゲット。こうした取り組みは十勝管内で珍しい。

 馬渕社長は新型コロナウイルス前から温泉を自宅に届ける道外の事例などを聞き、自社でもできないかを考えていた。コロナ禍以降、高齢者を中心に利用回数が減っており、「客を待たずに迎えに行く」考えのもと、事業化した。

 実施に当たっては、温泉法による温泉利用許可が必要。帯広保健所によると、管内で廃業した温泉施設が過去に1度、同様の内容で事業化したことはあった。温泉の運搬に必要なタンクや発電機などを国の小規模事業者持続化補助金で一部賄った。

300リットルのタンクから家庭の浴槽までホースで温泉を届ける

 11月下旬にサービスを始めた。約46度の源泉をタンクに詰め軽トラックで運び、自宅前から浴槽までホースで直接つなぎ給湯。約5分後に家庭用の浴槽(200~250リットル)が埋まる。一度の配達で1軒分しか運べず、業務の負担を抑えるため当面は札内地区限定のサービスとする。

 11日に注文した中野俊之さん(45)は妻、子どもの3人暮らしで「家で温泉を楽しめるのはやっぱりいい。温泉に行けない人に重宝されるのでは」と話していた。馬渕社長は「うちの施設は源泉掛け流しのお湯を提供している。泉質の良さを地元の人に伝えるきっかけになれば」と語る。

 価格は1回3000円。問い合わせは同社(0155・56・4321)へ。(本田龍之介)

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  • 300リットルのタンクから家庭の浴槽までホースで温泉を届ける

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