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生徒発案で部活掛け持ち可能に eスポーツ部創部も 鹿追高

兼部実現へ研究してきた田村さん(左)と、eスポーツ部創設にこぎつけた高附さん(中央)と飯島さん

 【鹿追】生徒と教諭が一緒になって部活動の抜本的な改革を進めてきた鹿追高校(俵谷俊彦校長、生徒140人)は、複数の部活動を掛け持ちする「兼部」を可能とし、またスポーツ系の部活動に所属していない生徒がスポーツに触れる入り口として「eスポーツ部」を創部した。いずれも生徒が主体となって約2年かけて研究・検討してきたことが実った。

 同校は、授業の「総合的な探究の時間」に「鹿追創生プロジェクト」を設け、生徒たちが町や母校の魅力アップなど、テーマごとに自身で課題を見つけて解決策を研究している。

 同プロジェクトの中で特に部活動の活性化について考える「鹿追高校部活動改革プロジェクトチーム」が発足。田村航さん(3年)ら3人のスポーツ班は「兼部」について、高附旭さん(同)と飯島圭紀さん(同)ら3人のICT班は世界的に盛り上がりを見せている「eスポーツ」を、それぞれ2年生の時から研究してきた。

 田村さんは野球部に所属しているが「入学者数が減少し、同時に部活を維持していくことに危機感があった」とし、「一つのスポーツに集中したい人もいるが、いろいろなスポーツをやってみたかったし、自分にどんなスポーツが合っているのかも分かるのでは」と兼部を検討するきっかけを話す。

 eスポーツ部創部を考えてきた高附さんは「どの部にも所属していない『帰宅部』の人や文化系の部の人たちがスポーツに親しむ入り口になると思った」とする。全国のeスポーツ部がある高校を調べ、創部前後の受験志願者数の変化も調査。大幅に伸びている高校があったことが分かり「鹿追高校の魅力アップにつながる」(高附さん)と考えた。

 両班は、生徒総会で提案し、各学級で協議した上で承認を得て、職員会議で検討してもらい「兼部」と「eスポーツ部創部」が認められた。eスポーツ部は同好会としてスタートした。

 研究してきた3年生は進学や就職を控え、兼部やeスポーツ部に関わることは少なくなるが、田村さんは「真剣に取り組んできたことが実現してうれしい」、高附さんは「後輩が一生懸命になれる場所ができたと思う」と喜んでいる。(平田幸嗣)

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