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甲子園1勝、雪辱を 39年前初出場ナインもエール 帯農

初の甲子園大会の開会式で入場行進する1982年のナイン

 夏の甲子園大会(第103回全国高校野球選手権大会)初戦を12日に迎える帯農ナイン。39年前の1982年に初出場した当時の選手たちも後輩の快挙を喜び、本番に向けて熱い視線を注いでいる。悲願の甲子園1勝を挙げ、自分たちの雪辱を果たしてほしいとエールを送っている。

 39年前の甲子園で左腕エースだった加藤浩一さん(57)=札幌市、団体職員=は7月25日の北大会決勝をテレビで観戦し「素晴らしい試合」と拍手を送った。「私たちの時代に比べて打撃は全然違う。守りもしっかりしていた」と攻守に目を見張った。

「気負わず自分たちの野球を」をエールを送った加藤さん

 三塁手だった水野英暢さん(55)=福島県、中学教諭=はインターネットで母校の活躍をチェック。「コロナの中でよく頑張った」とたたえながらも、「やっと行けた」と、前回の夏出場から長い時間もかかったと実感した。

 39年前のチームは星栄監督(故人)の下、厳しい練習を乗り越え甲子園切符を勝ち取った。

 二塁手だった増地孝幸さん(57)=浦幌町、道職員=は「公式練習で甲子園球場に入ってはいたが、開会式は5万人の観客に圧倒された」と懐かしむ。加藤さんも入場行進を思い浮かべ「ついにここ(甲子園)に来た。気持ちよかった」と心に熱いものがこみ上げた。

高校時代に使ったグラブを手にする増地さん。持ち帰った甲子園の土は瓶に入れて大事に取っている

 初戦の益田(島根)とは初出場同士だった。増地さんは「どこかフワフワしている感じで、あっという間に試合が進んだ」と振り返った。加藤さんは、肘の調子が悪く思い通りの投球ができず、「甲子園のマウンドだと意識はしなかったが、キャッチャーまでが遠く感じた。1回勝てればよかったが悔いはなかった」と思い出を語った。

 12日の初戦を控える後輩たちに、水野さんは「甲子園で自分たちのプレーを自信を持ってやってほしい。それがこれからの帯農野球の伝統になる」と激励する。

 増地さんは「北大会で見せた楽しそうな野球ができればいい。(明桜の)好投手でも今の打線なら打ってくれるはず」と力を込めた。

 加藤さんは「早く平常心を取り戻すことが大事だが(交流試合で甲子園は)去年経験しているので大丈夫。1勝といわず2勝、3勝してほしい」と健闘を祈っている。(安田義教)

<帯農の甲子園初出場>
 1982年7月、第64回選手権大会の北北海道大会決勝で北見北斗を破って初優勝。十勝勢では帯広高校(現帯柏葉)、帯三条、帯工に続く4校目の甲子園出場だった。大会5日目の8月10日、2回戦の第4試合に登場。初戦の相手は益田(島根)で、接戦の末に2-5で敗れた。九回の帯農の守備中、1イニング4アウトの珍事が起きたことでも知られる。

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