音更町出身の作家・八木さんが初の漫画原作 ホスト・ローランドの生き方描く
音更町出身の作家八木圭一さん(41)=東京=が初めて漫画原作を手掛けた書籍「ローランド・ゼロ」(宝島社)が刊行された。ホスト界の帝王と呼ばれるローランドさんの自伝的漫画で、八木さんは「決断の早さや言い訳しない姿勢、時代に左右されない生き方から学ぶことが多い」と話している。
ローランドさんが監修を務め、ホスト漫画「夜王」の井上紀良さんが作画を担当した。実業家として活躍するローランドさんは「世の中には2種類の男しかいない。俺か、俺以外か」の名言で知られる。
フィクションを交えながら、学生時代の挫折やホストの下積み時代などを通してローランドさんの生き方を描いた。ローランドさんにインタビューした八木さんは「頭が良く、せりふが強く、洞察力が高い」との印象を持った。ローランドさんや関係者の名言をベースに、学生時代に小説家を目指していた設定に変更するなど物語を組み立てた。
バランス感覚や調整能力を買われて漫画原作の依頼を受けた。実際にローランドさんや作画・出版社側との間で方向性などを調整し、「何を譲り、何を譲らないかが難しかった」と苦笑する。
周囲の意見に流されず、後悔のない選択を続けるローランドさんの生き方は多くの人に響くと考えている。「生き方が格好良く、夢を次々と実現している。子育てのヒントも見つかるのでは」と言う。
小説と異なり、せりふを短くし、場面の切り替えは少なくすることを意識した。「漫画原作は未知の領域だったが、読みやすさの手法などは小説にも生かせる」と話す。「ローランド・ゼロ」は来春に続編が発刊される予定。八木さんには別の漫画原作のオファーが届いている。176ページ。税別900円。(池谷智仁)