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預託牛の受け入れを強化、ICTで管理も効率化 JA士幌

首に付けたGPS発信器(白い箱)で個別の牛の位置を把握できる

 【士幌】JA士幌町(國井浩樹組合長)は、育成牛の預託事業を強化している。町中士幌に新たな牧場を開設した他、士幌高原の直営育成牧場では放牧牛管理の効率化を目的にICT(情報通信技術)の活用を進めている。生産現場では大規模化を受けて預託へのニーズが高まっており、酪農家の生産性向上を後押しする。

 新牧場は4月に完成。同JAの遊休施設を改良し、牛舎2棟を整備した。計400頭の預託牛を飼育している。改築費は2棟合わせて1億円。

 同牧場では全国酪農業協同組合連合会が全国から受け入れている預託牛を飼育。このうち200頭はJAの直営牧場で飼育していた。新牧場の開設により、直営牧場では地元の預託牛を増やすことになった。

遊休施設を改築した中士幌牧場

 直営牧場は通年で1200頭を飼育し、この他に現在650頭を夏季放牧している。今年から放牧している全頭の乳牛にはGPS(全地球測位システム)発信器を付けた首輪を装着、スマートフォンで個別に牛の場所を確認できるシステムをNTTドコモ北海道支社などと連携し、本格的に運用している。

 発情期を迎えた放牧牛は人工授精をするために移動させる必要があるが、1牧区(10~25ヘクタール)に最大200頭は放牧している牛の中から対象牛を見つけるのに、時間や手間を要していた。

 同システムはスマートフォンで牛の位置を確認できるため、牛群の中から探し出す作業が効率化された。機器の耐久性に加え、牛の動きをセンサーで感知し発情兆候を検出できないか研究を続けている。

 同JAの吉川晴美畜産部長は「ICTを生かすなど省力化を進め、作業の効率化と職員の作業負担の軽減に努めたい」と話している。(平田幸嗣)

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