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「宇宙から紙飛行機」再挑戦へ 大樹のIST

宇宙から紙飛行機を飛ばすプロジェクトに再挑戦する(右から)ISTの稲川社長とキャステムの戸田社長

 【大樹】大樹町内のベンチャー企業インターステラテクノロジズ(IST、稲川貴大社長)は19日、宇宙空間から紙飛行機を飛ばし、地表に着陸させるプロジェクトに再挑戦すると発表した。将来的には紙飛行機にカメラを搭載して宇宙を撮影する計画で、今回は各種機器を開発する企業や大学、技術者も募り、2021年以降に実施する。

 ISTは、19年7月に折り紙飛行機を搭載した観測ロケット「MOMO(モモ)」4号機を打ち上げたが、宇宙には届かなかった。4号機でのプロジェクトは、スポンサーの精密鋳造会社キャステム(広島、戸田拓夫社長)が発案した。

 戸田社長は折り紙飛行機の室内滞空時間でギネス世界記録を持ち、宇宙から紙飛行機を飛ばす試みは40年来の夢。今回もISTとキャステムが特殊加工した紙飛行機をロケットから放出する計画だ。

 プロジェクトは、3段階に分け難易度を上げながら実績を重ねていく。

 ステップ1は、21~22年に扇型紙飛行機をモモに搭載し、高度100キロから飛ばす。紙飛行機は4号機の時より大型の全長約15センチになる予定。

 ステップ2では、23年以降に全長約30センチのシャトル型紙飛行機をモモに載せ、高度100キロから放出する。ステップ3として、23年以降、ISTが開発中の人工衛星軌道投入用ロケット「ZERO(ゼロ)」にシャトル型紙飛行機(全長約70センチ)を積み、高度500キロから飛ばす。

 ステップ2以降は紙飛行機にカメラを搭載し、宇宙を撮影する。戸田社長は「宇宙から飛ばす紙飛行機から見える地球の姿を、世界中に配信したい」と期待を寄せる。世界の子どもたちに平和を願うメッセージを書いてもらうことも計画している。

 稲川社長は「民間のロケット開発企業だからこそできる世界初のプロジェクト。多くの人に関わってもらい、成功させたい」とコメントしている。

 開発の支援を募る紙飛行機用の機器は(1)超小型カメラ(2)撮影した画像を送る通信機器(3)太陽光で蓄電できる軽量バッテリー(4)遠隔操縦装置-の4点。機器類の合計重量は3グラムを見込んでいる。

 開発・技術支援の募集は10月31日まで。申し込み方法やプロジェクト詳細はキャステムのホームページに掲載している。(松村智裕)

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