飲食店や学習塾再開の動き 道の休業要請一部解除受け
道が石狩管内を除く地域で、新型コロナウイルス感染拡大に伴う休業要請を一部解除すると発表したことを受け、十勝管内の飲食店や学習塾などでは再開を検討する動きが出てきた。帯広市内の「北の屋台」(西1南10)は16日からの営業再開を決定。一方、緊急事態宣言は続いており、消毒や換気の徹底など警戒態勢の中での再開となる。
屋台は、あす 席や換気対策
「店を開けられるのはうれしい。密室なので、来てくださいと大きくは言えないけど…」。北の屋台に今期オープンしたデザート&バー「ケ・セラ・セラヴィ!」の菊地奈実子店主(34)は、ほっとした表情で話す。
北の屋台は4月に7期目がスタートし、初出店7店を含む計20店が店を構える。同17日に開店したが、新型コロナの影響で1週間足らずでの休業となっていた。
まだ営業になれていない中、オープンからわずか6日で休業が決定。先行き不透明な中、週に数回は店で試作などに努めた。「6日間で足りない部分も見えてきた。自分だけがこういう状況のわけではないし、国や市の補助もある。長く続くと厳しいけれど」と前向きに準備を進めてきた。
北の屋台各店舗は営業再開後、6席以内に席数を絞り、1時間に1回の換気などを行う。菊地店主は「早く落ち着いてほしい。夏は屋台が一番盛り上がると聞くので、その景色が見たい」と収束を望む。(松田亜弓)
学習塾「やっと会える」
休講したり、オンライン授業に切り替えたりしていた学習塾も、休業要請の解除を受け、「やっと子どもたちに会える」と安堵(あんど)している。
管内最大手の畜大練成会は2月末から講師の授業をビデオ撮影し、ホームページで随時公開。5月11日からはビデオ会議専用アプリ「Zoom(ズーム)」でビデオの補足や質問も受け付けるなどし、オンライン授業にも取り組んできた。
毎朝実施するズームのガイダンスでは、出席しない生徒を電話で起こすなどして生活面でも支えた。
25日以降は対面授業を一部再開。1クラスを2グループに分け、ズーム授業と、その教室に生徒が参加する併用方式を検討中だ。鈴木将志塾長は「ズームだと気軽に質問でき、自宅で面談が行えるなど思わぬ収穫もあった。今後も授業などに取り入れたい」と話す。
音更町の英明塾立志館は18日に約1カ月ぶりに授業を再開する。新学年の授業は3月に始めたため、授業の遅れは心配ないが、田中雅夫塾長は「保護者からは授業再開を望む声も強かったので、ほっとしている」と話した。(高田晃太郎)