外出自粛「10日の状況をみて判断」、一律の休校は否定 新型コロナで鈴木知事
【札幌】道内では8、9日と2日連続で、新型コロナウイルスの感染確認件数が2桁となった。特に札幌市は2日間の確認者の4割を占め、感染拡大の「第2波」となる可能性が出ている。鈴木直道知事は9日の臨時記者会見で半数以上の感染経路は特定できているとし、「現時点で一律の外出自粛や学校の休校措置は必要ない」と説明。ただ「(札幌市は)憂慮すべき事態」とも語り、10日の感染状況によっては外出自粛などを再要請する可能性を示唆した。
道内では8日に10人、9日に18人の感染を確認。札幌市内では8日に4人、9日には前日の倍となる8人の感染が発表された。2日間で感染経路が分かっているのは15人、残り13人は経路不明となっている。
札幌市保健福祉局は同市の状況について、「9日だけで6人のリンク(感染経路)切れが出ているのが非常に心配。これが続くと第2波となる可能性が出ている」と警戒を強めた。
鈴木知事は10日の状況次第で、札幌市などと協議し、外出自粛や休校要請を検討すると説明。「全道一律に出すのかは慎重に考えなければならない」とし、地域によって異なる注意喚起を行う可能性も示唆した。
外出自粛要請に関し鈴木知事は、(1)新規感染者が連続して2桁の日が発生(2)直近1週間とその1週間前のデータを比較して増加基調を確認(3)新規感染者の多数が感染経路不明-の三つを判断指標に検討するとしていた。
9日の会見では、来道者に2週間の体調管理と不要不急の外出自粛を改めて求めた。また、緊急事態宣言が発令された7都府県から地方への移動に関し、自粛の注意喚起の徹底を赤羽一嘉国土交通相に要請したことも明らかにした。(津田恭平、有岡志信)