出資募りパン店開店へ 大樹で移住青年2人
【大樹】昨年秋に東京から町内へ移住してきた2人がパン店「小麦の奴隷」の4月1日開店に向け、準備を進めている。インターネットで出資を募る、クラウドファンディング(CF)で資金調達を進め、22日現在で約91万円が集まっている。2人は「大樹町はロケットが基幹産業になり、発展すると信じている。パン屋をつくり、まちを盛り上げる一員になりたい」と意気込んでいる。
パン店開業を目指すのは、京都市出身の橋本玄樹さん(34)と三重県伊賀市出身の井上拓海さん(23)。2人は実業家の堀江貴文さんが運営するオンラインサロン「堀江貴文イノベーション大学校(HIU)」の会員だ。
HIU内で堀江さんが提案したアイデアに賛同し、整体院を営んでいた橋本さんが「自分の夢の一つでもあり、新しいことにチャレンジしたかった」とパン店開業を決意。フレンチやイタリアンの料理人だった井上さんを誘って、昨年9月にそろって大樹町民となった。
橋本さんがオーナー、井上さんがパン職人となり、店は国道236号沿いの町西本通26に構える。地場の食材をふんだんに活用する考えで、源ファーム(大樹)のホエー豚のカツサンドや中札内産卵によるタマゴサンド、高松農場(大樹)のジャガイモやニンジン、タマネギを使ったカレーパンなど25種類ほどを販売する予定。
堀江さんが創業した町内の宇宙ベンチャー企業インターステラテクノロジズ(IST、稲川貴大社長)に期待を寄せ、ホイップクリーム入りあんパンにロケットの絵の焼き印を押した「ロケットパン」も作る予定。橋本さんは「ISTのロケット打ち上げを見に来た人のお土産になれば」と話す。
CF運営サイト「キャンプファイヤー」では2月24日まで支援を受け付けている。「すでに100人以上の人から寄付をいただいている。期待に応えたい」と井上さん。橋本さんは「焼きたてのおいしいパンを提供したい。将来的にはフランチャイズ化し、各地で地方創生のためのパン屋を営業したい」と話している。
町内では昨年6月から、堀江さんがプロデュースしたレストラン「蝦夷(えぞ)マルシェ」が営業している。(松村智裕)