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延期のMOMO3号機、再び打ち上げできず 大樹

打ち上げ延期が決まり、ロケットを格納庫に戻す作業が行われた発射場(2日午後0時25分ごろ。固定カメラより)

 【大樹】町内のベンチャー企業インターステラテクノロジズ(IST、稲川貴大社長)は2日午前、町浜大樹の実験場で同日昼(午前11時15分~午後0時半)に予定していた観測ロケット「MOMO(モモ)」3号機の打ち上げを行わないことを決めた。風が強く打ち上げが難しいと判断したため。3日以降の打ち上げは天候条件などを考慮し、2日午後に判断する。3号機は4月30日昼の打ち上げ予定を、バルブの不具合や風の影響のため2日に延期していた。

 ISTによると、延期の要因となったバルブには異物が混入していたことが判明した。新品のバルブに交換し、異物への対策を行うなど準備を進めてきたが、2日午前10時半、中止を決定した。液体酸素の充填(じゅうてん)作業中で、機体に不具合などは確認されなかった。

 2日夕(午後4時~同5時20分)の時間帯の打ち上げについては、強風が見込まれるため、実施しないことを前日に判断していた。

 モモは民間単独開発としては国内初の高度100キロ以上の宇宙空間を目指す液体燃料ロケット。エタノールと液体酸素を推進剤とし、推力は1・2トン。全長9・9メートル、直径50センチ、燃料を含めた重さは1150キロ。2017年7月に打ち上げた初号機、昨年6月打ち上げの2号機では宇宙空間に到達できなかった。

 改良を重ねた3号機は、機体を立てた状態でエンジンを燃焼する「縦吹き」実験を2度行うなど、打ち上げへの精度を高めていた。機体には高知工科大の超低周波音を観測する機器と神奈川県相模原市の会社が販売するハンバーグを搭載している。(松村智裕)

▽打ち上げ判断基準(天候)
・風 速~平均地上風速5メートル以下
・視 程~600メートル以上
・降雨量~1時間8ミリ以下
・落 雷~半径10キロ以内にないこと
・高層風~落下範囲が区域外にならないこと


◆大樹の気象状況
大樹(柏木町)の観測データ-気象庁ホームページ

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