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デジタル遊園地 十勝に 7月 帯広美術館で開幕

デジタルアートの花や動物などが動き回り、幻想的な空間が広がる展示(東京お台場)

新感覚アート 首都圏で人気
 十勝毎日新聞社は7月6日~9月1日、創刊100周年の事業の一環として道立帯広美術館でデジタルアート展「チームラボ 学ぶ未来の遊園地」を開催する。会場いっぱいを使い、プログラムを駆使して、来場者の動きに応じて変化する他にないアート空間が登場する。世界中から高い評価を受けているチームラボ(東京)の堺大輔取締役(40)=札幌市出身=へのインタビューや、常設展紹介を通じて、魅力を伝える。

拡張空間で 世界を創ろう
◆チームラボ取締役 札幌市出身 堺大輔さん(40)

 -チームラボとは。
 東京大と東京工業大の工学部の大学生、大学院生を中心としたメンバー5人で、2001年に設立した。猪子寿之代表(41)が、テクノロジーを使ったアートをつくりたい、それによって世界が変わったら、との思いを持っていた。

作品に参加する
 -デジタルアートの魅力は。
 立ち止まっているとそこに花が咲いたり、壁を歩いている動物に触ると花が落ちたりするなど、インタラクティブ(双方向)なアート。今なら冬の季節に応じた花々が咲くなど、二度と同じ瞬間がないようにつくられている。

 今までのアートのように、作品を鑑賞するだけではなく、お客さまが作品に参加することによって変化し、アートの一部になっていく。

観覧する人も共に創るアートを提唱する境取締役(チームラボ本社で)

 -帯広で開催する「未来の遊園地」とは。
 描いた魚が動きだす「お絵かき水族館」や、床に飛び乗ると光り輝く「天才ケンケンパ」など、親子で楽しめる。

帯広は「水族館」
 今の子どもたちはタブレットやスマホで、視覚的に勉強し、遊んでいる。画面の中だけでなく、空間に拡張して体を使いながらみんなで一緒に学び、楽しんでもらおうというコンセプト。例えば「すべって育てる!フルーツ畑」は、ずっと昔からある普遍的な滑り台をデジタルで拡張し、より楽しくした。

 -デジタルアートはどのようにつくるのか。
 映像ではなく、プログラムで動いている。メンバーが約600人おり、エンジニアとクリエーターが一緒になって作品をつくる。チームラボの名の通り、いろんな専門性を持った人が集まり、一つの作品をお互いの強みを生かしてつくる。

 -20年度以降、小・中学校、高校で順次プログラミング教育が必修となる。
 北海道のITはまだまだ。少しでも皆さんにIT、デジタルに興味を持ってもらえればうれしい。

 私たちは共につくる「共創(きょうそう)」を大事にしている。現在の学校教育は一人で勉強して一人で成績をつけられるが、社会に出るとチームプレー。デジタルアートを体感することで作品の一部となり、一緒に何かをやることを、少しでも楽しいと思ってほしい。小さいうちから共につくることを楽しんでいけば、その先に明るい未来があると思う。

<さかい・だいすけ>
 1978年札幌市生まれ。北嶺中学校・高校卒、東大工学部機械情報工学科、東大大学院学際情報学府修了。大学ではロボットを研究。チームラボでは主に企業などの課題をデジタルで解決するソリューション事業を統括。9歳と4歳の子を持つ父親。都内在住。



触ると光や音の反応がある。人と作品が影響し合う(東京お台場)

人の動きで花が咲く
■森ビル デジタルアート ミュージアム エプソン チームラボ ボーダレス

 まず入って驚くのは、面積1万平方メートルという広さ。60以上のデジタルアートが出迎える。全体がアート空間となっており、全てを回り切るのは大変なほどだ。平日の月曜日だというのに、家族連れやカップルで入り口には長い列。半分ほどは海外からの観光客だ。チームラボのデジタルアートはシンガポール、フィンランド、フランス・パリなどでも展示され、インスタグラムなどのSNSを通じて世界でも人気だ。

 入場すると、空間そのものに花や動物、チョウ、文様などが映し出されている。ヒマワリでできたキリンが動き回っていたかと思えば、鳥獣戯画のような和風に描かれたウサギが跳びはねている。人の動きに応じて花が咲き、星が流れる。

 人と作品、作品と作品が相互に影響し合い、変化していく。その作品を共に楽しむ人と人との関係にも変化をもたらし、ボーダーレス(境界のない)な世界を生み出していく。写真や映像では分からない、未知の体験となること請け合いだ。

 複合商業施設「パレットタウン」(東京都江東区青海1ノ3ノ8)内。入場料大人3200円。中学生以下1000円。第2・第4火曜日休館。

子どもたちの描いた絵が画面で動きだす(神奈川県平塚)

描いた絵が動きだす
■チームラボ 学ぶ!未来の遊園地 teamlab Future Park

 子ども、親子連れ向けの9作品。帯広で予定する展示のイメージに近い。絵を描き、スキャンすると大画面の中に現れて動くアートは、訪問当時はクリスマス仕様。帯広では水族館となる予定だ。

 1番人気は「すべって育てる!フルーツ畑」。滑り台を滑り降りると、斜面に花が咲き、実がなる。滑るたびに異なる反応が子どもたちを夢中にする。お絵描き、ケンケンパなど古典的な遊びが、デジタルで進化。平野智史店長が「いつまでも遊んでいる子どももいます」というのもうなずける。

 複合商業施設「ららぽーと湘南平塚」内(神奈川県平塚市天沼10ノ1)。料金は大人・子ども共通1日フリーパス1200円。

更新情報

高木1500V、男子は野々村5位、女子500は稲川5位 W杯スケート長野大会

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