武四郎地図が登場 本別で道150年記念展
「地名とアイヌの関係 感じて」
【本別】町歴史民俗資料館(田野美妃館長)で2日、「北海道150年展~ふるさとをたどる」が始まった。「北海道」命名から150年を記念し、名付け親で幕末の探検家松浦武四郎の足跡をたどる内容。床に敷いた「北海道国郡検討図」の拡大レプリカの上を歩き、武四郎が記した当時の地名を読み取ることができる。併せて、北海道と本別町の歴史を年表やパネルで振り返っている。
松浦武四郎は1818年、伊勢国(現在の三重県松阪市小野江町)に生まれ、27歳から北海道(蝦夷地)への調査を開始している。北海道国郡検討図は、59年刊行の「東西蝦夷山川地理取調図」を基に69年、明治政府の命を受けた武四郎が北海道の国や郡をどう配置するか検討した際の地図。
同資料館フロアに敷かれた拡大レプリカは、十勝毎日新聞社が協力して展示。縦4メートル、横6・1メートルあり、武四郎が国境、郡境を分け、国境にすべきか迷った地点も見て取れる。「ホンベツ」「ラワン」「リクンベツ岳」といった文字、境界では足寄地区が釧路に入っていたことも分かる。レプリカ展示は今月中旬まで。
また、本別町の歴史も年表やパネルで表し、勇足地区で利別農場を開いた東條儀三郎氏ら「開拓八翁」などを紹介。大正期のマントや帽子の実物資料も並べ、生活にも着目している。
田野館長は「武四郎の足跡、そして北海道と本別町の時間(歴史)をたどる企画展。検討図の地名などで武四郎とアイヌとの関わりの深さも感じられる。ぜひ地図上を歩いて楽しんでほしい」と話す。
同展は来年2月28日まで。先着限定で、武四郎が道内の土産品や風情を描いて作ったすごろく「蝦夷土産道中寿五六」の特製クリアファイルを贈呈している。同1月22日からは同「寿五六」の拡大版を展示する予定。入館無料。日曜・祝日・月曜休館。問い合わせは町図書館(0156・22・5112)へ。
(木村仁根)