停電で酪農に影響
地震による明け方からの停電は、搾乳や搾った生乳の保管で電力を使う酪農家を中心に、管内農業に広く影響を与えた。
経産牛60頭を飼育する本別町西美里別の古澤元基さん(30)は、昨夜搾った分も含め、バルクタンクに2000リットルほどの生乳が入っている。「このままだと廃棄も考えなくてはいけない。今朝も搾乳できず、牛への負荷も心配だ」と気をもむ。
JAは発電機の貸し出しでなんとか対応している状況。JA忠類は「10台の発電機でやりくりしているが、現場は非常に混乱している」とする。幕別町忠類の岩谷史人さん(55)は発電機を借りて搾乳はできたが、工場も停電でストップしている。「廃棄しなければならないなら非常に辛い」と話した。
一部地域での断水も影響が大きい。搾乳設備の洗浄ができないため、池田町富岡地区の川本一見さんは「牛の乳房炎が心配。早く復旧してほしい」と望んだ。
JA幕別町は野菜の出荷も懸念する。「停電でダイコンやニンジン、バレイショなどの選果場、大型冷蔵庫が機能していない。農作物は苫小牧港に運ぶが、道路規制などを含めて確認中。長引けば影響は大きい」と心配している。