8月に子ども食堂全国ツアー 居場所考えるシンポジウム
十勝でも広がりを見せる「こども食堂」などの地域の居場所づくりを考えるシンポジウム「広がれ、こども食堂の輪!全国ツアーin道東」(実行委主催)が、8月4日に帯広市内のとかちプラザ・レインボーホールで開かれる。準備を進める関係者は「これをきっかけにいろいろな形の地域のつながりを考え、共有できたら」と多くの参加を呼び掛けている。(小林祐己)
こども食堂は近年、当初の貧困家庭の子ども支援のイメージから、幅広い世代の居場所へと役割を広げている。全国ツアーは、地域の交流の場としてのこども食堂の姿を広め、「一部の人たちだけの取り組み」から「地域のだれもが関われる取り組み」に広げるのが狙い。道内では昨年10月に旭川で開かれている。
2016年から帯広のボランティア団体「WEW(ウィー)とかち」がこども食堂を開く十勝でも、さらに輪を広げたいとシンポジウム開催が企画された。
当日は午後1時に開会。社会活動家で「反貧困」などの著書で知られる法政大学教授の湯浅誠氏が基調講演「子供の貧困と居場所づくり」を行う。
続くシンポジウムでは、オホーツク管内津別町の引きこもり支援、釧路市の地域食堂「みはら・かがやき食堂」、芽室町の子ども居場所支援事業「風の子めむろ」の関係者が参加し、湯浅氏と共にみんなが暮らしやすい地域の在り方を考える。
シンポジウムに参加するWEWとかちの若菜順代表は「(こども食堂は)貧困に結び付けられて広がったが、今は学校、家庭以外の第3の居場所として大人と信頼関係を結べる場所になっていることを知ってほしい」と願い、「子どもを核にいろいろな世代が交流することで、地域の元気につながる」とこども食堂の発展に期待している。
実行委員長の八重樫薫さん(帯広市自立相談支援センターふらっとセンター長)は「こども食堂だけでなく、お年寄りのサロンや障がい者の方の集まる場などが増えているが、地域でどう生きるかという根本は一緒。領域を超えた横のつながりが大事」と指摘。その上で「帯広はまだまだこれから。いろいろな居場所を紹介しみんなで共有したい」と願っている。
定員は280人で、参加費は500円(学生無料)。参加は所定の申込書で行う。問い合わせは実行委事務局(0155・20・7366)へ。