「はじめての白ワイン」完成 池田で町内産原料100%
【池田】農業生産法人「Far夢楽縁(ファームらくえん)」(林秀康社長)による町内産原料100%の「はじめての白ワイン」(750ミリリットル、アルコール度9%)が15日にできあがった。町内産原料100%の白ワインは1980年代中ごろまで町ブドウ・ブドウ酒研究所(安井美裕所長)が製造しており、今回は三十数年ぶりとなる。
「はじめての白ワイン」は59本製造。同法人が町内で栽培し、2017年秋に収穫した白ブドウ「ナイアガラ」と「ニューナイアガラ」を原料に使用。100キロを同研究所に出荷し、醸造を委託していた。
同研究所では、原料の量が少なかったことから、通常ラインでの製造はできず、職員が手作業で瓶詰めした後に1本ずつ熱湯につけて加熱殺菌処理した。同研究所は「完成までに時間を要したがナイアガラのいい香りがするワインに仕上がった」としている。
同研究所は「セイベル9110」1972年ビンテージをはじめ、80年代中ごろまで町内産原料100%の「白ワイン」を製造していた。今回の白ワインはそれ以来となり、安井所長は「町内で民間がワイン製造に乗り出したことに価値がある」と話している。
同法人では、当初見込みよりも出来上がった本数が少なかったため、今回は一般販売を見送ることにした。
林社長は「思い入れ強い白ワインなので、とにかくうれしい。今回は自分たちで飲んで楽しみたい」と喜んでいる。
同法人は、2020年に独自のワイナリー設立を目指す。「はじめての白ワイン」の誕生で、ワイナリー設立に一歩近づいた。今後、ブドウの収穫量を増やし、白ワインを増産したい方針だ。(内形勝也)