海外回復、近場も人気 台風自粛は払拭 年末年始の旅行
年末年始の旅行動向は最大10連休が取れる日並びの関係などから、全国的に好調に推移している。帯広市内の旅行会社でも海外が回復、家族利用などで近場の温泉の人気も高く、予約は前年より増えている。昨年、十勝を襲った台風災害を受けての自粛傾向は、払拭(ふっしょく)されたようだ。
多くの企業の正月休みは30日から1月3日までの5連休。ただ、平日の1月4、5日を休むと最大10連休となり、比較的、日並びに恵まれている。管内町村役場も10連休となる。
こうした中、海外旅行は増加傾向に。JTBの全国調査によると、年末年始(23日~1月3日)の海外旅行人数は過去最多の70万4000人(前年比2・8%増)となっている。国内旅行は2957万人(同0・9%増)。
十勝も同様の傾向で、JTB北海道帯広支店では海外旅行が前年比1割増。特にハワイは4割増、グアムは1割増となっている。海外旅行は近年、テロなど不安定な国際情勢を受け敬遠されていたが、久々の回復に。森下勉支店長は「台風災害で前年は旅行を自粛した人の、反動もあったのでは」と分析する。国内は1割減だが、熊本地震からの回復もあり、九州方面は4割増となっている。
ゴルフツアーで海外に行く人も多い。名鉄観光サービス帯広支店のゴルフツアー利用者は2割増で、静岡や房総方面のほか、台湾の高雄なども人気だ。「ゴルフツアーは毎年2割ずつ伸び、今後も期待できる」と谷藤正則支店長。国内を含む予約は例年より1割増、台風の影響があった前年からは2割増。十勝川温泉や層雲峡、阿寒など近場の温泉の需要が高い。
「安・近・短」傾向が強いのは、近畿日本ツーリスト北海道帯広支店。予約の8割が道内旅行とし、十勝川温泉や阿寒に家族3世代や数家族同時で訪れるケースが目立つ。馬場裕美子店頭チーフは「十勝への帰省に合わせ、ゆっくり温泉で過ごす家族が多いのでは」と話す。高野山や寺を巡るツアーなどで道外で過ごす人もいる。
関係者によると、ここ数年、交通機関や宿泊施設の価格が高騰する年末年始を避ける傾向が強まっている。今回も価格が戻る1月2週目以降に、東京ディズニーリゾートや海外旅行を計画している人が多い。
(池谷智仁)