本番さながら生徒会選挙 大樹高
【大樹】大樹高校(金田英司校長、生徒149人)は9月28日、公職選挙法に準じた生徒会選挙を初めて行った。候補者は街頭演説や選挙公報などで選挙運動を行い、実際に使われている投票箱や投票記載所を使って本番さながら一票を投じ、選挙への理解を深めた。
選挙権年齢が昨年、18歳以上に引き下げられたことを受け、政治への関心や参加意識を高める「主権者教育」の一環として行った。昨年は投票を体験する模擬投票を行ったが、今回は生徒が学校の主権者であるという意識を育てようと、実際の選挙手順を取り入れた。投票箱などの貸し出しは町選挙管理委員会が協力した。
事前に同校の選挙管理委員会が監修して写真入りポスターや選挙公報を製作。候補者は登校時の校門前での演説や昼休みの政見放送で主張を訴え、投票日に臨んだ。
この日は体育館で全校生徒が参加して立会演説会。選挙管理委員会から投票の流れや注意事項の説明を受けた。生徒は、生徒手帳を提示して本人確認を行う受け付けから投票箱に一票を投じるまで、本番同様の手順で投票が行われた。
3年A組の上田亜友美さん(18)は「本物の投票箱などを使ったので、大人の意識が持てた。投票の流れもわかったので、10月の選挙は行こうと思う」と話した。選挙管理委員長を務めた3年B組の島田雅司さん(18)は「準備や手続きなど、選挙を行うのは大変だとわかったが、やりがいもあった」と話した。
主権者教育担当の公民科の門屋祐二教諭は「単なる模擬投票ではなく、生徒会選挙とリンクすることでより当事者意識が芽生えるのでは」と話していた。(船水よう子通信員)