冬の農作業 都市部の学生ら体験 帯広市と「ワタミ」
帯広市と外食大手「ワタミグループ」(東京)などが共同で取り組む「農業インターンシップ(就業体験)」が帯広市内の川西地区で始まり、都市部の学生らが農作業に従事している。
農業インターンシップは、農業に興味を持つ若者と繁忙期の人手不足や担い手不足に悩む農家をつなぐ事業として、JA帯広大正の協力を得て2000年に始まった。昨年7月には同社の山内一成さん(38)が、総務省の「地域おこし企業人交流プログラム」を活用して市の嘱託職員として着任。例年8~9月に大正地区でジャガイモの収穫を体験するプログラムだったが、JA帯広かわにしの組合員10戸が賛同してくれたことで、初めて冬季の実習生の受け入れを企画した。
今回は札幌や東京、遠くは大分県から春休み期間中の大学生ら6人が参加。9~18日の日程で、昼間は農作業の手伝いや実地学習、夜は宿泊場所のカウベルハウス(市八千代町)で農業者との懇親会などを通じて農業の魅力に触れている。
2日目の10日は午前8時から6人が3カ所の受け入れ農家に分かれてビートの育苗作業を体験。広瀬ファーム(広瀬澄男さん経営)のハウス内で、専用ポットに土を詰め込む作業などに従事した高橋優磨さん(21)=帯広畜産大2年=は「座学と違って新鮮。現場で農業の基本を学べて楽しい」、十勝に初めて来た清水彩加さん(21)=順天堂大3年=は「夏のインターンに参加した友人の話を聞いて面白そうと感じた。視野を広げたい」と話した。
今後も冬季開催は継続する見通しで、山内さんは「学生を集める仕掛けも考えながら発展させていきたい」と見据えていた。(小縣大輝)