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大樹で打ち上げ成功 新型バルブ 正常に作動 東海大学生ロケット

発射台から飛び立つロケット(2日正午ごろ、折原徹也撮影)

 【大樹】東海大学(神奈川県平塚市)の「学生ロケットプロジェクト」は2日、町美成の多目的航空公園北側の原野でロケットの打ち上げ実験を行った。打ち上げは成功し、燃料の流量を調整するバルブなど新たに導入した機器は正常に機能した。

 宇宙技術者を目指す学生が実践的な知識や技術を得ることを目的としたプロジェクトで1995年に発足した。固体燃料のろうと、液体の亜酸化窒素を酸化剤としたハイブリッドロケットエンジンを開発しており、高度100キロ以上の宇宙空間への打ち上げを目指している。大樹では2004年から実験を行っており、今回で13回目。現在は学部生と大学院生60人が所属している。

 今回はメンバー34人が2月27日から来町。2日は全長1・5メートル、直径15・4センチ、重量5・6キロの44号機を高度360メートルを目指して打ち上げた。

 44号機は高度300~1000メートルの低高度用での実験に使う機体で、効率的に製造できるよう設計を簡略化している。また、打ち上げ高度を上げるために必要となる機体の軽量化を図るため、これまでに比べて5分の1のサイズまで小型化したバルブを搭載。加えて新たに開発したパラシュートの放出機構も備えている。

 正午ごろに打ち上げを行い、ロケットは炎を上げながら勢いよく上空に飛び立った。実験は成功し、バルブや放出機構も動作した。今後、データを分析し、到達高度や速度、加速度、パラシュートの放出したタイミングなどを確認する。

 プロジェクトマネジャーの工学部航空宇宙学科2年の林麻優美さん(22)は「実験したものは全て機能した。今回試験した機能を生かして開発を進めたい」と話していた。

 同プロジェクトは14年に高度2・4キロまで打ち上げ、当時の国内学生ロケット記録を樹立した。当面の目標として2年後には高度10キロまでの打ち上げを行いたい考え。(伊藤亮太)


◆TSRPについて
活動の概要やロケット技術の紹介など-東海大学チャレンジセンター学生ロケットプロジェクト

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