高齢者、音読で頭の体操 認知症かるたも 帯大谷短大
【音更】帯広大谷短期大学(田中厚一学長)で今年度から、高齢者を対象にした音読教室が開かれており、参加者が同短大の学生と楽しく交流している。
同短大附属図書館(吉田真弓館長)が「あたまイキイキ音読教室」と題して開催。前期は11回開講し、60~70代の高齢者15人が受講した。
後期は13人が受講。年明けからは同図書館のボランティアサークル「あすぱら」や社会福祉科介護福祉専攻の学生も参加している。
12日は後期7回目の教室が開かれ8人が受講、学生5人も参加した。この日の教材は日本の昔話「かさじぞう」と宮沢賢治の「セロ弾きのゴーシュ」。図書館司書や学生が一文ずつ読んだ後、受講生が声を合わせて音読した。
また、同短大や帯広大谷高校ら管内の学生・生徒が共同で制作した「認知症かるた」も行い、2グループに分かれて、受講生が代わる代わる読み手になって楽しんだ。
受講生で唯一の男性の森本英治さん(66)は「児童書を読むと大人でも励まされ癒やされる。他の受講生との交流は刺激になる」と話した。
吉田館長は「年を取ると人と話す機会が少なくなるが、音読は滑舌が良くなる効果がある。認知症予防や地域の交流の場として、短大の資源を還元できれば」としている。(鈴木裕之)