台風10号から1カ月 断水、不通なお
台風10号の接近による豪雨被害から30日で1カ月を迎えた。十勝管内では記録的な雨で河川が氾濫、道路や鉄路が寸断され、死者が出る大きな水害となった。一連の台風は国の激甚災害の指定を受け、復旧、復興に向けた動きが始まるものの、行方不明者や一部地域で続く断水、JRの不通など依然として大きな爪痕を残している。
十勝総合振興局などによると、増水で流失した橋から落下して新得町と大樹町で2人の死者が出た。清水町では現在も、川に流されたとみられる2人が行方不明となっている。
新得、清水、芽室の3町で住宅14戸が全半壊。芽室、幕別、音更、帯広など1市9町で計314戸の床上・床下浸水が発生した。送水管が通る橋の流失などで新得、清水、大樹などで合わせて8000を超す世帯が断水した。新得町の全世帯が通水再開した18日までにほぼ復旧したものの、鹿追町の然別湖畔地区では現在も飲用水の断水が続く。
台風4つが道内に上陸、接近した影響で管内各地の河川が増水し、延べ11市町村の7351人に避難指示が出て、6758人が実際に避難した。帯広市内の札内川など河川の決壊、氾濫が相次ぎ、近くの住宅や農地が大きな被害を受けた。道路は国道274号日勝峠、同38号狩勝峠などが通行止め、JR根室線・石勝線も新得町内などで落橋した。狩勝峠は再開したが日勝峠の不通やJRの運休が続き、住民の足に影響が出ている。
政府は16日、一連の台風による暴風・豪雨災害の激甚災害への指定を決めた。管内でも国庫補助事業の申請など災害復旧に向けた動きが本格化している。
(安田義教)