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「幸福村」26日開村 発達障害者の就労拠点

すぐ横は畑。古民家を改修した作業・販売拠点でオープニングに備える三浦さん(前列左)と夫の潤一さん(後列左)らスタッフ

 発達障害などに関する取り組みを進めてきた「カンナ・カンナ」代表の三浦直美さん(40)=帯広=は、主に発達障害のある人の支えの場として、無農薬ハーブの栽培や商品化、販売などを行う就労継続支援B型事業所「幸福村」を帯広市幸福町基線159に立ち上げる。自身がうつを発症した際、心が救われた経験を生かし、26日にオープニングセレモニー(開村式)を行う。

 三浦さんは市内の大正町で生まれ育った。2007年に夫の潤一さん(41)らと一般社団法人・カンナカンナを立ち上げ、環境保全活動を展開。潤一さんが5年前に発達障害と診断されたのを受け、同障害のピアサポートなども同法人の事業に加え、支えてきた。

 一方で三浦さん自身、福祉関係の職場で働いていた2年前、仕事上の悩みや忙しさなどが重なり、うつを発症した。「感情のコントロールができず、リストカットを何度もし、家族に心配をかけた」という。通院してカウンセリングを受ける傍ら、出合ったのがハーブだった。「飲むことで気持ちが落ち着いた。次第に自分で栽培するようになった」と話す。

 今年に入り、三浦さんの親類が幸福町基線に所有する15年ほど空いていた古い住宅と、隣接する畑を借り受けた。これを活用し、主に発達障害の人の就労支援を行う事業所を立ち上げることにし、法人と同名の株式会社を設立して社長に就いた。

 同事業所での作業内容はハーブの栽培とティパック作りの他、無農薬コーヒー豆を仕入れて焙煎(ばいせん)した上での製品化や店舗での接客など。商品はジャーマンカモミール5パック680円などを計画している。定員20人で、既に問い合わせもあるという。

 三浦さんは「当事者家族として、発達障害を抱え、社会で実力を発揮しきれない人たちの支えの場をつくりたい。ここを拠点に、地域との交流イベントも開きたい」と話している。問い合わせは幸福村(電話0155・64・2055、Eメールkouhukumura@gmail.com.)へ。(佐藤いづみ)

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