士幌高、実習授業にドローン導入へ 作物の生育把握
【士幌】士幌高校(吉田岳夫校長、生徒157人)は、ドローン(小型無人機)を活用した授業に乗り出す。道内の農業高校でも数少ない試みで、最先端の技術を駆使した実習を通じて生徒に農業への興味や関心を引き出す狙いだ。
先端技術活用実践学習との名目で、国の地方創生加速化交付金450万円を活用。中身としては(1)GPS(全地球測位システム)活用授業(2)ドローンを活用した圃場(ほじょう)環境調査(3)リモートセンシング機能を活用した生育調査と生産履歴の活用(4)ICT(情報通信技術)データ管理技術研修を想定している。校内の畑では小麦や豆などを生徒が栽培しており、遠隔操作で空撮できるドローンの活用によって作物の生育状況などのデータ化・解析が可能となり、作業の効率化にもつながるという。
22日には関係機関の協力を得てドローンのデモフライトが行われ、総合学習を受講する2、3年生約30人が参加。2・2ヘクタールある畑の上空を高度100メートルまで上昇し、水平を保ちながら自由自在に飛び回る様子に生徒も関心を示していた。有機農業専攻班2年の明石海さん(16)は「実物を初めて見たけど、思っていたより飛行音が小さくて驚いた。実際に操作してみたいです」と話していた。
早ければ7月中旬をめどにドローン2台を導入する考えで、吉田校長は「自分たちが育てている農場を俯瞰(ふかん)することで、農業に対する考えや見方も変わってくると思う。学年や専攻班を問わず、全校生徒を対象に授業の中で役立てられれば」としている。(小縣大輝)