発達障害の子育てハンドブック発行 更別村手をつなぐ親と子の会
【更別】発達障害の子供と家族をサポートしようと、村手をつなぐ親と子の会(濱本敏生会長、会員14人)が子育ての悩みと対応例をまとめた冊子「発達が気になる子どもの子育て応援ハンドブック」を発行した。会員らのアンケートを基に実体験を交えて執筆している。濱本会長は「同じ悩みを持つ人が周囲にいることに気付いてもらいたい」と話す。
同会は知的障害者(児)を持つ保護者で構成。会員間で研修会に参加したり悩み相談にも取り組む。濱本さんの次女(34)は5歳で自閉症と診断された。子供の進学など、自身もさまざまなことで悩んだ経験があるという。
今回は就学中や就学前の子供を持つ保護者の中から「1人で悩む人も多いはず。実体験を記したものがあればいい」との声が挙がり、赤い羽根協同募金の助成を受けて同冊子の作製を企画した。会員間で設問を考え、発達障害の子供を持つ、または育てた経験がある15世帯にアンケート。回答があった中から参考になるものを抜粋して掲載した。
保護者からの回答内容はさまざまだ。障害の告知については「特別支援学級に入るときに説明した」とある一方で「告知したことはないが、他の子ができていることが自分にできないことがつらかったよう」という声も。
「異性とのトラブルはとても心配」などと、性についての切実な話題も寄せられている。人間の本能だから「悪いこと」ではなく、対処法を丁寧に伝えていくことの必要性を、分かりやすい文章でアドバイスしている。濱本会長は「将来の道を本人が選ぶのは難しい。生活するのに困らない方法を、親がある程度方向を付けてあげないといけない」と話す。
村国保診療所の山田康介所長は「共感の輪が広がり、みんなが安心して希望を持ちながら生きていけるまちづくりのきっかけになれば」と期待している。冊子はA5判二つ折り8ページ。500部を印刷して村内の幼稚園と保育所、小中学校、村役場保健福祉課と住民生活課に配布した他、同会事務局の村社会福祉協会にも置いている。問い合わせは事務局の同協議会(0155・53・3500)へ。(小寺泰介)