浦幌のアンモナイト、28日から公開 道博物館
【札幌】北海道博物館(札幌)は25日までに、2012年に浦幌町で発掘されたアンモナイトの化石が、北太平洋地域で最後まで生き残ったアンモナイトであったことが判明したと発表した。近く日本古生物学会の機関誌に掲載する。この研究成果を踏まえ、同館は28日から「北海道のアンモナイトとその魅力」と題した企画展を開き、化石標本を公開する。
浦幌町のアンモナイト化石は2012年8月、同町内の茂川流布川沿いで発見された。調査の結果、巻きアンモナイトの一種「ディプロモセラス シリンドラセアム」と同種で、約6680万年前の産出と推定された。
アンモナイト類は白亜紀末の約6600万年前に巨大隕石(いんせき)の衝突の影響で絶滅したとされ、化石の地層などから、このアンモナイトが北太平洋地域で最後まで生き残っていたものと断定した。
同館の栗原憲一学芸員は「絶滅時にどのようなアンモナイトが繁栄していたかは一切不明だったが、今回の研究成果で、本種が隕石衝突の直前まで繁栄していたことが初めて明らかにされた」としている。
この成果は日本古生物学会の国際誌「パレオントロジカル・リサーチ」に掲載される予定。同館の企画展は28日から来年1月17日まで開かれる。入場無料。同館の住所は札幌市厚別区厚別町小野幌53ノ2。月曜休館。(道下恵次)
◆北海道のアンモナイトとその魅力について
・第3回企画テーマ展 北海道のアンモナイトとその魅力-北海道博物館ホームページ